IT用語集(意味と英語の語源つき)
IT丸わかりに出てくる454語を、分野ごとにまとめました。各用語から、その言葉を解説している章へ進めます。ページ内検索(Ctrl+F / ⌘+F)も便利です。
IT全般編の用語
- IT アイティー ・ Information Technology
情報を集める・送る・保存する・使うための技術の総称。
コンピューター・ネットワーク・ソフトウェアなどをまとめた言い方です。通信を強調して ICT と言うこともあります。
語源Information(情報)+ Technology(技術)の頭文字。information はラテン語 informare(形を与える)から。
- ソフトウェア Software
コンピューターを動かすプログラムのこと。
形のある機械(ハードウェア)に対する、形のない「中身」です。OSとアプリに大きく分かれます。
語源soft(やわらかい)+ ware(製品)。hardware に対する言葉として1950年代に生まれました。
- クライアント Client
サービスを頼む側のコンピューターやアプリ。
スマホやPCのアプリがクライアント、答える側がサーバーです。
語源ラテン語 cliens(守ってもらう人)から。「顧客」と同じ言葉です。
- DX ディーエックス ・ デジタルトランスフォーメーション
ITを使って、仕事のやり方や事業そのものを変えること。
紙をPDFにするだけ(デジタル化)ではなく、データを活かして業務の流れや商売のしかたを作り変えるところまでを指します。
語源Digital Transformation。英語圏では trans-(越えて)を X と書く習慣があり、DT ではなく DX になりました。digital はラテン語 digitus(指)から。
- ハードウェア Hardware
コンピューターの、手で触れられる機械の部分。
CPU・メモリ・ストレージ・画面・キーボードなど。
語源hard(かたい)+ ware(製品)。もとは金物(工具・鍋)のこと。
- CPU シーピーユー
計算と指示をこなす、コンピューターの頭脳。
1秒間に何十億回もの計算をします。「コア」が多いほど、同時にたくさんの仕事ができます。
語源Central Processing Unit(中央の処理装置)の頭文字。process はラテン語 procedere(前へ進む)から。
- メモリ Memory ・ RAM
いま使っているデータを置く、速い作業台。
電源を切ると中身は消えます。容量が足りないとPCが重くなります。
語源ラテン語 memoria(記憶)から。RAM は Random Access Memory(好きな順に読み書きできる記憶)。
- ストレージ(SSD / HDD) Storage
データをしまっておく場所。電源を切っても消えない。
SSD は電気だけで読み書きする速いもの、HDD は円盤を回して読み書きする安くて大容量のもの。
語源store(蓄える)+ -age。SSD は Solid State Drive(動く部品のない装置)、HDD は Hard Disk Drive(かたい円盤の装置)。
- バイト(GB / TB) Byte
データの量の単位。
約1000倍ごとに KB → MB → GB → TB。写真1枚が数MB、映画1本が数GBほどです。
語源bite(ひとかじり)をわざとつづり変えた言葉と言われます。giga はギリシャ語 gigas(巨人)、tera は teras(怪物)から。
- GPU ジーピーユー
画像の処理や、AIの計算を得意とする部品。
単純な計算を何千個も同時にこなせるため、生成AIの学習や実行に欠かせません。
語源Graphics Processing Unit(画像処理装置)の頭文字。
- スワップ Swap
メモリが足りないとき、あふれた分を一時的にストレージに逃がすこと。
ストレージはメモリよりずっと遅いので、スワップが起きるとPCが急に重くなります。
語源swap(交換する)。メモリとストレージの間でデータを入れ替えることから。
- OS オーエス ・ Operating System
アプリとハードウェアの間に立つ、土台のソフト。
画面・ファイル・メモリなどを管理し、アプリに貸し出します。
語源Operating System(動かすための仕組み)の頭文字。operate はラテン語 operari(働く)から。
- カーネル Kernel
OSのいちばん中心にある部分。
メモリの割り当てや、どのプログラムをいつ動かすかなど、根本の管理をします。
語源kernel は果物の「種・芯」。OSの芯の部分。
- Linux リナックス
無料で使えるオープンソースのOS。サーバーで主流。
クラウドのサーバーの多くや、Android の中心部分にも使われています。
語源作者のリーナス(Linus)と、手本にしたOSの UNIX を合わせた名前。
- Windows / macOS / iOS / Android おもなOS
パソコンとスマホの、おもなOS。
Windows は Microsoft、macOS と iOS は Apple、Android は Google が開発しています。
語源Windows は画面の「窓」。Mac はりんごの品種 McIntosh から。Android はギリシャ語 andro(人間)+ -oid(〜のようなもの)で「人造人間」。
- ドライバー Driver
プリンターなどの周辺機器を、OSが動かすための小さなソフト。
語源drive(動かす・運転する)+ -er。機器を「運転する」役。
- ミドルウェア Middleware
OSとアプリの間で、共通の機能を提供するソフト。
データベースやWebサーバーのソフトが代表例です。
語源middle(真ん中)+ ware(製品)。
- ネットワーク Network
コンピューター同士をつないで、データをやり取りできるようにしたもの。
語源net(網)+ work(作り)。網の目のようにつながった仕組み。
- LAN ラン
社内や家の中など、限られた範囲のネットワーク。
語源Local Area Network(限られた地域のネットワーク)の頭文字。
- Wi-Fi ワイファイ
無線でLANにつなぐ仕組みの呼び名。
語源業界団体が付けた商標で、何かの略ではありません。音響機器の Hi-Fi(高音質)をもじったと言われます。
- インターネット Internet
世界中のネットワークをつないだ、ネットワークのネットワーク。
語源inter(間)+ network。ネットワークとネットワークの「間」をつなぐもの。
- IPアドレス IP Address
ネットワーク上の住所。
データはこの住所を頼りに届けられます。
語源Internet Protocol(インターネットの決まりごと)の address(住所)。
- ルーター Router
宛先を見て、データを次にどこへ送るかを決める機械。
語源route(道筋)+ -er(〜するもの)。道筋を決める係。
- プロトコル Protocol
通信のための決まりごと。
HTTP・TCP・IP など。全員が同じ決まりを守るので、メーカーが違う機械同士でもつながります。
語源ギリシャ語 prōtokollon(巻物の最初に貼った紙)から。外交の「取り決め・儀礼」の意味になりました。
- VPN ブイピーエヌ
インターネットの上に、暗号化した専用の通り道を作る仕組み。
テレワークで社内システムにつなぐときによく使われます。
語源Virtual Private Network(仮想の専用ネットワーク)の頭文字。
- アプリ Application ・ アプリケーション
具体的な用事のためのソフト。
Excel・LINE・会計ソフトなど。OSの上で動きます。
語源application(当てはめること)。ラテン語 applicare(当てはめる)から。
- Webアプリ Web Application
ブラウザでURLを開くだけで使えるアプリ。
インストールが不要で、更新もサーバー側で一度に済みます。Gmail やネット銀行など。
語源web は「クモの巣」。世界中をつなぐ World Wide Web(世界に広がるクモの巣)から。
- ブラウザ Browser
Webページを見るためのアプリ。
Chrome・Edge・Safari など。
語源browse(拾い読みする)。もとは動物が若葉をあちこち食べ歩く様子。
- ネイティブアプリ Native App
iPhone・Androidなど、その端末向けに作って入れるアプリ。
カメラ・通知・オフラインなど端末の機能を使い切れますが、端末の種類ごとに作り分ける必要があります。
語源native(生まれつきの・その土地の)。その端末で「生まれた」アプリ。
- SaaS サース
完成したソフトを、インターネット経由で月額などで借りて使う形。
Microsoft 365・Salesforce・kintone など。運用は提供会社が行います。
語源Software as a Service(サービスとしてのソフトウェア)の頭文字。
- インストール Install
アプリを端末に入れて、使える状態にすること。
語源in(中へ)+ stall(置き場所)。据え付けること。
- 基幹系 / 情報系 Core System / Information System
会社の仕事を回すシステムの、2つの分け方。
基幹系はお金・モノ・人の流れ(会計・販売・在庫・生産・人事給与など)、情報系は連絡や情報共有(メール・チャット・文書など)を扱います。
語源基幹は「おおもと・中心」。英語では core system(中心のシステム)と呼ばれます。
- ERP イーアールピー ・ 統合基幹業務システム
会計・販売・在庫・人事などの基幹業務を、1つにまとめたシステム。
SAP・Oracle・Microsoft Dynamics 365 などが代表例。データが1か所にそろうので、経営の数字がすぐ見えます。
語源Enterprise Resource Planning(企業の資源の計画)の頭文字。enterprise はフランス語 entreprendre(取りかかる)から。
- CRM / SFA 顧客管理 / 営業支援
顧客との関係を管理するシステム/営業活動を管理するシステム。
Salesforce・kintone・HubSpot などが使われます。
語源Customer Relationship Management(顧客関係の管理)/ Sales Force Automation(営業部隊の自動化)の頭文字。
- ワークフロー Workflow
申請・承認の流れ。また、それを電子化する仕組み。
稟議や経費精算を、紙とハンコからシステム上の承認に置きかえます。
語源work(仕事)+ flow(流れ)。
- SSO(シングルサインオン) Single Sign-On
1回のログインで、複数のシステムを使えるようにする仕組み。
社員のIDを Microsoft Entra ID などで1か所に集めて管理します。退職者のIDを1か所で止められるので、安全面でも重要です。
語源single(1回の)+ sign on(ログインする)。
- RPA アールピーエー
人がやっている画面操作を、ソフトのロボットに自動でやらせる仕組み。
APIがない古いシステムとの連携にも使われます。
語源Robotic Process Automation(ロボットによる作業の自動化)の頭文字。robot はチェコ語 robota(強制労働)から。
- グループウェア Groupware
予定表・掲示板・ファイル共有など、チームで仕事をするためのソフト。
Microsoft 365・Google Workspace・サイボウズなど。
語源group(集団)+ software。
- フロントエンド / バックエンド Frontend / Backend
利用者が見る画面の部分/見えない裏側で処理をする部分。
語源front(正面)+ end(端)、back(裏)+ end。
- API エーピーアイ
プログラム同士が、決まった形でやり取りするための窓口。
「この形で頼めば、この形で答える」という約束です。地図・決済・生成AIなど、他社の機能もAPIで呼び出して使えます。
語源Application Programming Interface の頭文字。interface は inter(間)+ face(面)で「接する面」。
- リクエスト / レスポンス Request / Response
頼むこと/それに答えること。
語源request はラテン語 requirere(求める)、response は respondere(答える)から。
- サーバー Server
頼まれた処理をして、答えを返す側のコンピューター。
Webサーバー、DBサーバー、メールサーバーなど、役割ごとに呼び分けます。多くは24時間動き続けています。
語源serve(仕える・料理を出す)+ -er。給仕係と同じ言葉です。
- HTTP エイチティーティーピー
Webで、頼む側と答える側がやり取りするための決まりごと。
答えには番号が付いていて、200は成功、404は見つからない、503は停止中・混雑を表します。
語源HyperText Transfer Protocol(ハイパーテキストを運ぶ決まり)の頭文字。hyper は「超える」。
- JSON ジェイソン
データを「項目名: 値」の形で書く、テキストの書き方。
APIのやり取りでよく使われます。
語源JavaScript Object Notation(JavaScriptでのモノの書き表し方)の頭文字。
- プログラミング言語 Programming Language
コンピューターへの指示(プログラム)を書くための言葉。
Python・JavaScript・Java・C# など、数百種類あります。
語源program はギリシャ語 programma(前もって書かれたもの)から。
- ソースコード Source Code
人が書いたプログラムの文章。
語源source(源)+ code(ラテン語 codex:木の板 → 書物・法典)。
- コンパイル / インタプリタ Compile / Interpreter
ソースコードを、機械が実行できる形に変える2つの方式。
前もってまとめて変換するのがコンパイル、1行ずつ読みながら実行するのがインタプリタです。
語源ラテン語 compilare(寄せ集める)から。interpreter は「通訳」。
- フレームワーク / ライブラリ Framework / Library
よく使う部品や骨組みを、まとめて提供するもの。
ライブラリは「道具箱」、フレームワークは「作り方の型ごと」の提供です。
語源frame(枠)+ work(作り)。library はラテン語 liber(本)から「図書館」。
- Python パイソン
読みやすく書きやすい言語。AI・データ分析・自動化で人気。
語源英国のコメディ番組「空飛ぶモンティ・パイソン」から。ヘビが由来ではありません。
- JavaScript / TypeScript ジャバスクリプト
Webの画面を動かす言語。ブラウザの中で動く。
サーバー側でも使えます。TypeScript は、JavaScript に「型」のチェックを足した言語です。
語源当時人気だった Java にあやかって付けた名前で、中身は別物です。script は「台本」。
- Java ジャバ
大企業の業務システムやAndroidアプリで使われてきた言語。
語源インドネシアのジャワ島のコーヒーから。米国の俗語で java は「コーヒー」。
- C# / Swift / Kotlin / PHP そのほかのおもな言語
用途ごとに使われる、そのほかのおもな言語。
C# は Microsoft の言語で業務システムやゲームに、Swift は iPhone アプリ、Kotlin は Android アプリ、PHP は WordPress などのWebサイトに多く使われます。
語源C# は音楽の「ド♯」で、C言語の半音上。Swift は「速い」、Kotlin はロシアの島の名前、PHP はもと Personal Home Page の略。
- データベース Database ・ DB
整理して保存されたデータの集まりと、それを管理する仕組み。
たくさんの人が同時に読み書きしても、データが壊れたり消えたりしないように守ってくれます。
語源data(ラテン語 datum「与えられたもの」の複数形)+ base(基地・置き場)。
- SQL エスキューエル
表形式のデータベースに頼みごとをするための言語。
SELECT(取り出す)・INSERT(追加)・UPDATE(更新)・DELETE(削除)などを、英語の文に近い形で書きます。
語源Structured Query Language(構造化された問い合わせ言語)の頭文字。
- CRUD クラッド
データ操作の基本4つ:作る・読む・更新・削除。
語源Create・Read・Update・Delete の頭文字。
- バックアップ Backup
万一に備えて取っておく、データの写し。
別の場所に、定期的に、自動で取るのが基本です。ランサムウェア対策として、書き換えられない場所に置く方法もあります。
語源back(後ろ)+ up。後ろから支える「予備」。
- クラウド Cloud
インターネットの向こうにあるコンピューターを、必要な分だけ借りて使う仕組み。
自社でサーバーを買わずに、使った分だけ料金を払います。
語源cloud(雲)。ネットワークの向こう側を、図で雲の形に描いていたことから。
- オンプレミス On-premises ・ オンプレ
サーバーなどの機械を、自社で持って運用する形。
語源on premises(自社の敷地・建物の中で)。premises は「建物と敷地」。
- IaaS / PaaS イアース / パース
クラウドを「どこまで任せるか」の分け方。
IaaS は機械だけを借りる、PaaS はOSやDBなどの土台まで任せる。完成したソフトまで借りるのが SaaS です。
語源Infrastructure(基盤)/ Platform(土台)as a Service(〜をサービスとして)の頭文字。
- データセンター Data Center
サーバーを大量に集めて置いている、専用の建物。
停電や地震に備えた電源・空調・警備を備えています。
語源data(データ)+ center(中心・拠点)。
- 仮想化 Virtualization
1台の機械を、何台分にも分けて使えるようにする技術。
分けられた1台分を仮想マシン(VM)と呼びます。クラウドはこの技術で、機械を細かく貸し出しています。
語源virtual はラテン語 virtus(力・実質)から、「実質的には同じ」という意味。
- AWS / Azure / Google Cloud 3大クラウド
世界の3大クラウド。
AWS は Amazon、Azure は Microsoft、Google Cloud は Google が提供しています。
語源AWS は Amazon Web Services の頭文字。azure は「空色」。Google は 10の100乗を表す googol から。
- セキュリティ Security
情報やシステムを、盗み見・改ざん・停止から守ること。
語源ラテン語 securus(心配のない)。se-(離れて)+ cura(心配)。
- 認証 / 認可 Authentication / Authorization
本人かどうかを確かめること/その人に何をしてよいかを決めること。
ログインが認証、「この人は経理のデータだけ見てよい」と決めるのが認可です。
語源authentication はギリシャ語 authentikos(本物の)、authorization は author(権限を持つ人)から。
- 多要素認証(MFA) Multi-Factor Authentication
パスワードに加えて、スマホの確認など別の手段も使う本人確認。
「知っているもの(パスワード)」「持っているもの(スマホ)」「本人そのもの(指紋・顔)」のうち2つ以上を組み合わせます。
語源factor はラテン語 facere(作る)から「要素」。
- 暗号化 Encryption
データを、鍵を持つ人にしか読めない形に変えること。
語源en(中に)+ ギリシャ語 kryptos(隠された)。
- フィッシング Phishing
本物そっくりの偽メールや偽サイトで、パスワードなどを盗む手口。
語源fishing(釣り)のもじり。ph は、昔のハッカー文化の言葉 phreaking にならったと言われます。
- ランサムウェア / マルウェア Ransomware / Malware
悪さをするソフトの総称がマルウェア。データを人質にして身代金を要求するのがランサムウェア。
語源malicious(悪意のある)+ software、ransom(身代金)+ software。
- 脆弱性 Vulnerability ・ ぜいじゃくせい
ソフトの設計や作りの弱点。攻撃の入口になる。
見つかると修正版(パッチ)が配られるので、更新をためないことが大切です。
語源ラテン語 vulnus(傷)から、「傷つきやすさ」。
- ゼロトラスト Zero Trust
社内・社外を問わず、アクセスのたびに確かめる考え方。
語源zero(ゼロ)+ trust(信頼)。「最初から信頼はゼロ」として毎回確認する。
- 多層防御 Defense in Depth
守りを1か所に頼らず、何重にも重ねる考え方。
人・ID・端末・通信・データ・監視と、層ごとに対策を重ねます。
語源defense in depth(奥行きのある守り)。もとは軍事の言葉です。
- EDR イーディーアール
PCやサーバーの怪しい動きを見つけて、止める・調べるための仕組み。
登録済みのウイルスだけを止める従来の対策と違い、「ふるまい」で未知の攻撃にも気づけます。
語源Endpoint Detection and Response(端末での検知と対応)の頭文字。endpoint は「末端」=利用者の端末。
- MDM エムディーエム
会社のスマホやPCを、まとめて管理する仕組み。
設定の配布、アプリの制限、紛失時の遠隔ロック・消去ができます。
語源Mobile Device Management(モバイル端末の管理)の頭文字。
- SIEM / SOC シーム / ソック
ログを集めて異常を見つける仕組み/それを24時間見張る専門チーム。
語源Security Information and Event Management / Security Operation Center の頭文字。
- ISMS アイエスエムエス
情報セキュリティを組織として管理する仕組み。また、その認証制度。
国際規格 ISO/IEC 27001 にもとづき、第三者の審査で認証されます。取引の条件になることもあります。
語源Information Security Management System(情報セキュリティの管理の仕組み)の頭文字。
- セキュリティ教育 / 訓練 Security Awareness Training
社員が手口を知り、怪しいメールに気づけるようにする取り組み。
本物そっくりの訓練メールを送り、開いてしまった人に解説する「標的型メール訓練」がよく行われます。
語源education はラテン語 educere(引き出す)から。
- ウォーターフォール Waterfall
要件定義から順番に、前の工程に戻らず進める開発のやり方。
語源waterfall(滝)。上から下へ流れ落ちる様子から。
- 要件定義 Requirements Definition
システムで「何ができればよいか」を決めて文書にする工程。
発注側がもっとも深く関わる工程で、あとからの変更ほど費用が大きくなります。
語源require(求める)。ラテン語 requirere(探し求める)から。
- アジャイル / スクラム Agile / Scrum
小さく作って見せ、直すことを短い期間でくり返す開発のやり方。
代表的な進め方がスクラムで、1〜4週間ほどの区切りをスプリントと呼びます。
語源agile(機敏な)。scrum はラグビーのスクラム、sprint は短距離走。
- テスト Test
作ったものが、決めたとおりに動くか確かめること。
語源ラテン語 testum(金属を試すための土の器)から。
- Git / GitHub ギット / ギットハブ
ソースコードの変更履歴を管理する仕組みと、それを共有するサービス。
語源git はイギリス英語の俗語で「ばか者」。作者のリーナス・トーバルズが冗談で付けた名前です。hub は「中心・拠点」。
- CI/CD シーアイ / シーディー
テストやリリースを自動化して、素早く何度も届ける仕組み。
語源Continuous Integration(継続的な統合)/ Continuous Delivery(継続的な提供)の頭文字。
- リリース Release
できあがったものを、利用者が使える状態にすること。
語源release(解き放つ)。
- 運用・保守 Operation / Maintenance
システムを動かし続け、直し、更新していく仕事。
語源operation(動かすこと)。maintenance はラテン語 manu tenere(手で保つ)から。
- 監視 Monitoring
システムの状態を常に測り、異常があれば知らせること。
語源monitor はラテン語 monere(警告する)から。
- 障害(インシデント) Incident
システムが止まったり、正しく動かなくなったりすること。
語源incident はラテン語 incidere(降りかかる)から。
- SLA / 稼働率 Service Level Agreement
サービスの品質(止まらなさなど)を数字で約束したもの。
稼働率 99.9% なら、1年で止まってよいのは約8.8時間までです。
語源Service Level Agreement(サービスの水準の合意)の頭文字。
- 冗長化 Redundancy
同じ役割の機械を2台以上用意して、1台が壊れても止まらないようにすること。
語源redundant(余分な)。ラテン語 redundare(あふれ出る)から。
- AI エーアイ ・ 人工知能
人の知的な働き(判断・予測・会話など)をコンピューターで行う技術。
語源Artificial Intelligence(人工の知能)の頭文字。
- 機械学習 Machine Learning
データからパターンを学ばせて、予測や分類をさせる技術。
売上予測、不良品の検知、迷惑メールの判定など。
語源machine(機械)+ learning(学ぶこと)。
- 生成AI / LLM Generative AI ・ 大規模言語モデル
文章や画像を新しく作り出すAI。文章を扱うものを大規模言語モデル(LLM)と呼ぶ。
ChatGPT・Claude・Gemini などが代表例です。
語源generate(生み出す)。LLM は Large Language Model(大規模言語モデル)の頭文字。
- トークン Token
生成AIが文章を扱うときの、小さな区切りの単位。
利用料金もトークンの数で決まることが多いです。
語源token(しるし・代用硬貨)。
- プロンプト Prompt
AIへの指示文。
語源prompt(促す)。演劇で、役者にセリフをそっと教えることも prompt と言います。
- ハルシネーション Hallucination
生成AIが、もっともらしい間違いを答えること。
語源hallucination(幻覚)。ラテン語 hallucinari(心がさまよう)から。
- RAG ラグ
社内資料などを検索してから、生成AIに答えさせる仕組み。
くわしくはデータベース編の「ベクトルDB」の章で解説しています。
語源Retrieval-Augmented Generation(取ってきた情報で強化した生成)の頭文字。
ネットワーク編の用語
- インターネット Internet
世界中のネットワークをつないだ「ネットワークのネットワーク」。
家や会社のネットワーク同士が、通信会社の回線を通じて世界中でつながっています。
語源inter(〜の間)+ net(網)。もとは「ネットワーク同士をつなぐもの」という意味。
- LAN ラン
家やオフィスの中だけの、小さなネットワーク。
Wi-Fiやケーブルでつながった、建物の中のネットワークです。外のインターネットとはルーターを通じてつながります。
語源Local Area Network(その場所だけのネットワーク)の頭文字。
- PC ピーシー
パソコン。
語源Personal Computer(個人用のコンピューター)の頭文字。
- プロトコル Protocol
通信するときの約束ごと。
話す順番や言葉づかいを決めておくことで、メーカーの違うコンピューター同士でも会話ができます。TCP・HTTP などの最後の P は、この Protocol の P です。
語源ギリシャ語 prōtokollon(巻物の最初に貼った1枚)から。そこから「外交上の取り決め・儀礼」の意味になり、通信の約束ごとにも使われるようになりました。
- DNS ディーエヌエス
名前からIPアドレスを調べる住所録。
ドメイン名(example.com)をIPアドレスに変換する仕組みです。この変換を「名前解決」と呼びます。
語源Domain Name System の頭文字。domain はラテン語 dominium(領地)から。
- ドメイン Domain
インターネット上の名前(example.com など)。
会社の看板のようなもの。登録して毎年更新します。期限が切れるとサイトもメールも使えなくなります。
語源domain(領地・領域)。ネットの世界での「自分の土地の名前」。
- IPアドレス アイピーアドレス
ネットワーク上の住所。
通信相手を特定するための番号です。IPv4は「192.0.2.1」のように4つの数字、IPv6はもっと長い16進数で表します。
語源IP は Internet Protocol(インターネットの約束ごと)の頭文字。v4・v6 は version(版)の4と6。address は「宛先」。
- キャッシュ Cache
一度調べた答えを手元に取っておくこと。
同じことを聞かれたとき、すぐ答えられるようにする仕組みです。DNS、ブラウザ、サーバーなど、あちこちで使われています。速くなる反面、古い情報が残ることもあります。
語源フランス語 cacher(隠す)から。探検家が食料を隠しておく「隠し場所」が元の意味。お金の cash(現金)とは別の言葉です。
- TTL ティーティーエル
覚えておいてよい時間(賞味期限)。
DNSの答えをキャッシュしてよい時間です。これを過ぎると、もう一度問い合わせます。
語源Time To Live(生きていられる時間)の頭文字。データの「寿命」を表します。
- UDP ユーディーピー
確認を省いて速さを優先する通信ルール。
TCPのような接続の確立や再送をしません。速さが大事な通信(DNS、動画通話、ゲーム)で使われます。
語源User Datagram Protocol の頭文字。datagram は data(データ)と telegram(電報)を合わせた造語で、「送りっぱなしの電報」のような通信です。
- Aレコード エーレコード
DNSに登録する「名前 → IPアドレス」の対応表の1行。
AレコードにはIPv4、AAAAレコードにはIPv6のアドレスを書きます。
語源A は Address(住所)の頭文字。AAAA は、IPv6のアドレスがIPv4の4倍の長さ(128ビット)なので A を4つ並べた、と説明されます。record は「記録」。
- リゾルバ Resolver
名前解決を代わりにやってくれる係。
PCから頼まれて、ルートサーバー → TLD → 権威サーバー の順に聞いて回り、答えを持ち帰ります。プロバイダや Google などが用意しています。
語源resolve(解決する)+ -er(〜する人)。
- TLD ティーエルディー
ドメインのいちばん右の部分(.com や .jp)。
DNSは木のような形をしています。根っこ(ルート)→ .com や .jp(TLD)→ example.com の順に枝分かれしています。
語源Top Level Domain(いちばん上の階層のドメイン)の頭文字。いちばん上の「ルート」は root(根っこ)。
- 権威サーバー けんいサーバー
そのドメインの「正解」を持っている大元のサーバー。
example.com のIPアドレスが何番かを最終的に答えるのは、このサーバーです。
語源英語では authoritative server。authority(権威・公式の情報源)を持つサーバー、という意味。
- TCP ティーシーピー
確実に届けるための通信ルール。
接続を確立してから送り、届かなければ再送し、順番も正しく並べ直します。Webやメールなど、正確さが必要な通信で使われます。
語源Transmission Control Protocol の頭文字。transmission(送ること)を control(管理する)protocol(約束ごと)。
- SYN シン
「通信を始めましょう」の合図。
TCPで最初に送るパケットです。お互いの「通し番号(シーケンス番号)の数え始め」をそろえる役目があります。
語源synchronize(同期する=タイミングや数をそろえる)の略。syn- はギリシャ語で「一緒に」、chronos は「時間」。
- ACK アック
「受け取りました」の返事。
TCPでは、データを受け取るたびに ACK を返します。送った側は ACK が来なければ「届いていない」と判断して送り直します。
語源acknowledgement(受け取ったことを認めること・確認)の略。
- 3ウェイハンドシェイク スリーウェイハンドシェイク
TCPで接続を始めるときの、3回のあいさつ。
SYN(始めたい)→ SYN+ACK(了解、こちらも始めたい)→ ACK(了解)の順にやり取りし、双方向で通信できることを確かめます。
語源3-way(3回の)+ handshake(hand 手 + shake 振る=握手)。3回のやり取りで握手を交わすイメージ。
- シーケンス番号 Sequence Number
データに付ける通し番号。
バラバラの順番で届いても、この番号を見れば正しく並べ直せます。抜けている番号があれば、送り直しを頼めます。
語源sequence(順番・連続)。ラテン語 sequi(あとに続く)から。
- パケット Packet
データを小分けにした小包。
大きなデータはそのまま送らず、小さな単位に分けて送ります。それぞれに宛先や順番の情報(ヘッダー)が付き、受け取った側で元に戻します。
語源古いフランス語 pacquet(小さな包み)から。pack(包む)+ -et(小さいもの)。
- ポート番号 ポートばんごう
サーバーに付いている、番号付きのドア。
1台のサーバーでは複数のサービスが動いています。IPアドレスで建物を、ポート番号でその中のどのサービス宛てかを指定します。
語源ラテン語 portus(港)から。データという船が、どの港(サービス)に着くかを表します。
- TLS ティーエルエス
通信を暗号化し、相手が本物かも確かめる仕組み。
盗み見と改ざんを防ぎ、証明書でサーバーの身元を確認します。昔の名前のSSLで呼ばれることも今なお多いです。
語源Transport Layer Security の頭文字。前身の SSL は Secure Sockets Layer で、socket は「差し込み口(コンセント)」の意味。
- SSL エスエスエル
TLSの昔の名前。
仕組みとしてはTLSに置き換わりましたが、「SSL証明書」のように今も名前が残っています。
語源Secure(安全な)Sockets(差し込み口)Layer(層)の頭文字。
- HTTPS エイチティーティーピーエス
暗号化されたHTTP。
HTTPのやり取りをTLSで包んだものです。URLが https:// で始まります。
語源HTTP の最後に Secure(安全な)の S を付けたもの。
- SSL証明書 エスエスエルしょうめいしょ ・ サーバー証明書
「このサイトは本物です」を示す身分証。
認証局(CA)が発行し、ブラウザが自動で確認します。有効期限があり、切れると警告画面が出てサイトが見られなくなります。自動更新の仕組みを用意しておくと安心です。
語源英語では certificate。ラテン語 certus(確かな)から、「確かであると示す書類」。
- 認証局 CA ・ シーエー
証明書を発行する、信頼された機関。
ブラウザやOSには、信頼できる認証局の一覧が最初から入っています。その認証局が署名した証明書だけを「本物」と認めます。
語源Certificate(証明書)Authority(権威ある機関)の頭文字。
- 暗号化 Encryption
第三者には読めない形に変換すること。
鍵を持っている人だけが元に戻せます(復号)。
語源英語 encryption は en-(〜の状態にする)+ crypt(ギリシャ語 kryptos:隠された)。
- 鍵交換 Key Exchange
暗号に使う鍵を、盗まれないように相手と共有する手順。
途中でのぞかれても鍵そのものはわからない、数学的な工夫が使われています。
語源英語では key exchange(鍵の交換)。
- 共通鍵暗号 きょうつうかぎあんごう
暗号化と元に戻すのに、同じ鍵を使う方式。
処理が速いのが長所。TLSでは最初に鍵交換で安全に鍵を共有してから、この方式に切り替えます。
語源英語では symmetric key(左右対称の鍵=両側で同じ鍵)。
- ファイアウォール Firewall
ルールに合う通信だけを通す関所。
IPアドレスやポート番号を見て、通信を許可するか拒否するかを決めます。必要なものだけ開けて、残りは閉じておくのが基本です。
語源fire(火)+ wall(壁)。建物の延焼を防ぐ「防火壁」から。
- ステートフル Stateful
通信の「流れ」を覚えておく方式。
中から出ていった通信への返事は、自動で通してくれます。
語源state(状態)+ -ful(〜でいっぱいの)=状態を覚えている。
- NSG / セキュリティグループ エヌエスジー
クラウド上のファイアウォール設定。
Azure では NSG、AWS ではセキュリティグループと呼びます。どのポートを誰に開けるかを画面で設定します。
語源Network Security Group(ネットワークの安全のためのルールの集まり)の頭文字。
- SSH エスエスエイチ
サーバーを遠隔で操作するための、暗号化された通り道。
語源Secure Shell の頭文字。shell(貝殻)は、コンピューターの中身を包む外側=人が命令を打ち込む画面のこと。
- RDP アールディーピー
Windowsの画面を遠隔で操作する仕組み(リモートデスクトップ)。
語源Remote(離れた)Desktop(机の上=画面)Protocol(約束ごと)の頭文字。
- VPN ブイピーエヌ
インターネット上に作る、社内専用の暗号化トンネル。
自宅や外出先から、まるで社内にいるかのように社内システムへ安全に接続できます。ファイアウォールの穴を大きく開けずに済むのも利点です。
語源Virtual(仮想の=実物ではないが実質的に)Private(専用の)Network の頭文字。
- ランサムウェア Ransomware
データを勝手に暗号化し「戻してほしければ金を払え」と脅すウイルス。
語源ransom(身代金)+ software(ソフトウェア)。
- ロードバランサー Load Balancer
複数のサーバーにリクエストを振り分ける案内係。
1台に集中しないよう分散させ、故障したサーバーは自動で外します。
語源load(積み荷 → 仕事の量)を balance(てんびんで釣り合わせる)するもの。
- ラウンドロビン Round Robin
順番に1つずつ回していく振り分け方。
語源一説では、17〜18世紀の嘆願書で、首謀者がわからないよう署名を円(round)に並べた「丸いリボン(フランス語 ruban rond)」が由来とされます。
- ヘルスチェック Health Check
サーバーが元気か、定期的に確かめること。
一定時間ごとにアクセスして返事を確かめ、返事がないサーバーには仕事を回さないようにします。
語源health(健康)+ check(確認)=健康診断。
- L4 / L7 レイヤー4 / レイヤー7
通信の仕組みを7つの層に分けたときの、4番目と7番目。
L4(トランスポート層)はIPアドレスとポート番号まで、L7(アプリケーション層)はURLなど中身まで見て判断します。
語源L は Layer(層)の頭文字。通信を7階建てのビルにたとえた「OSI参照モデル」という考え方から。
- TLS終端 TLS Termination
暗号をここで解いて、中身を読めるようにすること。
ロードバランサーで暗号を解くと、後ろのサーバーは暗号の処理をしなくて済みます。
語源英語では TLS termination。terminate(終わらせる)=暗号の区間の終点。
- サーバー Server
頼まれたものを用意して返すコンピューター。
Webサーバーはページを、DNSサーバーは住所を、というように、役割ごとに名前が付きます。
語源serve(仕える・料理を出す)+ -er(〜する人)=給仕係。
- Web ウェブ
インターネット上で、ページ同士がリンクでつながった仕組み。
語源web(クモの巣)。World Wide Web(世界中に張りめぐらされたクモの巣)の略で、www. の由来でもあります。
- URL ユーアールエル
Web上の住所(https://example.com/ など)。
語源Uniform Resource Locator(決まった書き方で、資源の場所を示すもの)の頭文字。
- HTTP エイチティーティーピー
ブラウザとWebサーバーの会話のルール。
ブラウザがリクエストを送り、サーバーがレスポンスを返す、という1往復が基本です。
語源HyperText Transfer Protocol の頭文字。hyper(ギリシャ語で「超えて」)text は、リンクで別の文書へ飛び越えられる文章のこと。それを transfer(運ぶ)約束ごと。
- リクエスト / レスポンス Request / Response
ブラウザの「依頼」と、サーバーの「返事」。
語源request(頼む)、response(応える)。
- GET / POST ゲット / ポスト
リクエストの種類。GETは取得、POSTは送信。
ページを見るときは GET、フォームを送るときは POST を使います。
語源get(手に入れる)、post(郵便を出す・投函する)。フォームの送信は、ポストに手紙を入れるイメージ。
- ステータスコード Status Code
サーバーからの返事の結果を表す3桁の数字。
最初の1桁で大まかな意味がわかります。2xxは成功、3xxは転送、4xxは頼んだ側の問題、5xxはサーバー側の問題です。
語源status(状態)+ code(符号)。「結果がどんな状態か」を示す番号。OK は「大丈夫」、Not Found は「見つからない」。
- Nginx / Apache エンジンエックス / アパッチ
世界で広く使われているWebサーバーのソフト。
語源Nginx は「engine x(エンジン・エックス)」と読みます。
- アプリケーションサーバー Application Server
画面の中身を計算して組み立てる役目のサーバー。
語源application(応用・特定の用途)。特定の仕事をするソフト=アプリのためのサーバー。
- データベース Database ・ DB
整理して保存されたデータの集まり。
表(テーブル)の形でデータを保存し、条件をつけてすばやく取り出せます。複数人が同時に読み書きしても壊れないよう管理されています。
語源data(ラテン語 datum「与えられたもの」の複数形)+ base(基地・置き場)。
- SQL エスキューエル
データベースに頼みごとをするための言語。
データの取り出し、追加、更新、削除を、英語の文に近い形で指示します。
語源Structured Query Language(構造化された問い合わせ言語)の頭文字。query はラテン語 quaerere(尋ねる)から。最初は SEQUEL という名前でしたが、商標の問題で SQL に変わりました。
- SELECT / FROM / WHERE セレクト / フロム / ウェア
SQLのいちばん基本の言葉。
SELECT(選んで取り出す)* (全部の列)FROM products(products という表から)WHERE price < 1000(値段が1000未満という条件で)。英語の文のように読めます。
語源select(選ぶ)、from(〜から)、where(〜という条件の)。
- テーブル Table
データベースの中の「表」。
行(1件分のデータ)と列(項目)でできています。Excelのシートに近いイメージです。
語源table(表・机)。
- コネクションプール Connection Pool
接続をためておいて使い回す仕組み。
接続を毎回作るのは時間がかかるので、作った接続をプール(ため池)に置いておき、必要なときに借りて返します。
語源connection(つながり)+ pool(ため池・共同で使う置き場)。
- PostgreSQL / MySQL ポストグレス / マイエスキューエル
代表的な無料のデータベースソフト。
語源PostgreSQL は、昔の Ingres というデータベースの「後継(post)」という意味。MySQL の My は、開発者の娘の名前です。
- ブラウザ Browser
Webページを見るためのソフト(Chrome、Safari、Edge など)。
語源browse は、もともと動物が若葉をあちこち食べ歩くこと。そこから「拾い読みする・見て回る」の意味に。
- レンダリング Rendering
受け取った部品から、画面を組み立てて描くこと。
語源render(形にして差し出す・仕上げる)。
- HTML エイチティーエムエル
Webページの骨組みを書く言語。
語源HyperText Markup Language の頭文字。markup は、原稿に「ここは見出し」と書き込む印(校正記号)のこと。
- CSS シーエスエス
Webページの見た目(色・大きさ・配置)を決める言語。
語源Cascading Style Sheets の頭文字。cascade(段々に流れ落ちる滝)のように、ルールが上から順に重なって適用されます。
- JavaScript ジャバスクリプト
Webページに動きをつけるプログラミング言語。
語源当時人気だった Java にあやかった名前ですが、Java とはまったく別の言語です。script は「台本」。
- Keep-Alive / 多重化 キープアライブ
一度つないだ接続を使い回す工夫。
Keep-Alive は接続を切らずにおく仕組み。HTTP/2 の多重化は、1本の接続で複数のファイルを同時にやり取りする仕組みです。
語源keep alive(生かしておく)。多重化は英語で multiplexing(multi=たくさん、plex=折り重ねる)。
アプリ基盤編の用語
- 3層構造 Three-tier Architecture
Webアプリを「画面・処理・保存」の3段に分ける作り方。
画面(プレゼンテーション層)、処理(アプリケーション層)、保存(データ層)に分けると、それぞれを別々に増やしたり直したりできます。
語源tier は「段・列」。劇場のひな壇の段のように、上下に重なった層のこと。
- Webサーバー / アプリケーションサーバー Web Server / Application Server
ブラウザからの頼みに答えるソフト/その奥で業務の処理をするソフト。
Webサーバーの代表は Nginx・Apache。アプリケーションサーバーは、Java・Python・Node.js などで書かれた処理を動かします。
語源serve(仕える・料理を出す)+ -er。Nginx は「エンジン・エックス」と読みます。
- HTTP / HTTPS エイチティーティーピーエス
Webでやり取りするための決まりごと/それを暗号化したもの。
今のWebアプリは、通信を暗号化する HTTPS が当たり前です。
語源HyperText Transfer Protocol の頭文字。S は Secure(安全な)。
- クラウドネイティブ Cloud Native
クラウドで動かすことを前提に、コンテナや自動化を活かして作るやり方。
語源native(生まれつきの)。クラウド「生まれ」のアプリ。
- SPA / MPA エスピーエー / エムピーエー
1枚のページを書き換えながら動くWebアプリ/ページごとに丸ごと読み込むWebサイト。
語源Single Page Application / Multi Page Application の頭文字。
- HTML / CSS / JavaScript Webの画面を作る3つの言葉
Webの画面を作る3つの言葉。骨組み・見た目・動き。
語源HTML は HyperText Markup Language(印を付けて書く言語)、CSS は Cascading Style Sheets(滝のように上から順に効く見た目の指定)。
- React / Vue / Next.js 画面づくりのフレームワーク
画面を作るための代表的なフレームワーク。
語源react は「反応する」。データが変わると画面が反応して書き換わることから。Vue はフランス語で「眺め(view)」。
- SSR(サーバーサイドレンダリング) Server-Side Rendering
画面の組み立てをサーバー側で済ませてから送る方法。
最初の表示が速く、検索エンジンにも内容が伝わりやすくなります。
語源Server-Side Rendering(サーバー側での描画)の頭文字。
- レンダリング Rendering
データやHTMLから、画面を描き上げること。
語源render(仕上げて差し出す)。
- CDN シーディーエヌ
世界中に置いたサーバーから、近い場所で中身を届ける仕組み。
Akamai・Cloudflare・Amazon CloudFront・Azure Front Door などがあります。
語源Content Delivery Network(中身の配達網)の頭文字。
- キャッシュ Cache
よく使う中身の写しを、近くに取っておくこと。
語源フランス語 cacher(隠す)から。探検家の「食料の隠し場所」が元の意味。
- エッジ Edge
利用者の近くに置かれたサーバー。ネットワークの「端」。
語源edge(ふち・端)。
- 静的 / 動的コンテンツ Static / Dynamic Content
誰にでも同じ中身/人や時間によって変わる中身。
語源static はギリシャ語 statikos(止まった)、dynamic は dynamis(力・動き)から。
- レイテンシ Latency
頼んでから答えが返り始めるまでの待ち時間。
距離が遠いほど長くなります。東京と南米の往復では0.3秒近くかかります。
語源ラテン語 latere(隠れている)から、「表に出るまでの潜伏時間」。
- ロードバランサー Load Balancer
届いたアクセスを、複数のサーバーに振り分ける仕組み。
語源load(負荷)+ balance(つり合わせる)+ -er。balance はラテン語 bilanx(2つの皿の天びん)から。
- ヘルスチェック Health Check
サーバーが元気に答えられるかを、定期的に確かめること。
答えないサーバーは、振り分け先から自動で外されます。
語源health(健康)+ check(確認)。
- オートスケール Auto Scaling
混み具合に合わせて、サーバーの台数を自動で増やしたり減らしたりすること。
語源auto(自動の)+ scale(規模)。
- スケールアウト / スケールアップ Scale-out / Scale-up
台数を増やして性能を上げる/1台を強くして性能を上げる。
語源scale(規模)を out(外へ=横に広げる)/ up(上へ=大きく)。
- 仮想マシン(VM) Virtual Machine
1台の機械の中に作った、実質的に1台として使えるコンピューター。
語源Virtual Machine。virtual はラテン語 virtus(力・実質)から。
- ハイパーバイザー Hypervisor
1台の物理サーバーを、いくつもの仮想マシンに分ける土台のソフト。
語源hyper(上の)+ supervisor(監督者)。OS(スーパーバイザー)のさらに上に立つ監督役。
- IaaS / PaaS イアース / パース
クラウドで、機械だけを借りる形/OSや実行環境まで任せる形。
語源Infrastructure / Platform as a Service(基盤/土台をサービスとして)の頭文字。
- パッチ Patch
ソフトの不具合や弱点を直す修正プログラム。
語源patch(つぎ当て)。服の穴にあて布をするように、プログラムの穴をふさぐ。
- リフト&シフト Lift and Shift
今のシステムをほぼそのままクラウドへ移すこと。
まず移してから(リフト)、クラウドに合った形へ作り直す(シフト)という2段構えの考え方です。
語源lift(持ち上げる)+ shift(移す)。
- モノリス Monolith
全部の機能を1つのプログラムにまとめた作り。
語源ギリシャ語 monos(1つの)+ lithos(石)。1枚岩のこと。
- マイクロサービス Microservices
機能ごとに小さなサービスに分け、APIでつなぐ作り。
語源micro(とても小さい。ギリシャ語 mikros)+ service。
- API エーピーアイ
プログラム同士が、決まった形でやり取りするための窓口。
語源Application Programming Interface。interface は inter(間)+ face(面)で「接する面」。
- コンテナ Container
アプリと必要な部品をまとめて詰めた、持ち運べる箱。
OSの中心部分を共有するので、仮想マシンより軽く、数秒で起動します。
語源contain(中に保つ)+ -er。ラテン語 con(ともに)+ tenere(保つ)から。
- Docker / Dockerfile ドッカー
コンテナを作って動かす代表的なソフト/コンテナの設計図。
語源docker は「港湾労働者(ドックで荷物を積み下ろしする人)」。
- コンテナイメージ Container Image
コンテナのひな形。ここから同じ箱をいくつでも作れる。
語源image(像・写し)。ラテン語 imago(似姿)から。
- レジストリ Registry
コンテナイメージを保管して配る置き場。
Docker Hub のほか、各クラウドにも用意されています。
語源register(登録する)。ラテン語 regerere(書き留める)から。
- Kubernetes クバネティス ・ K8s
たくさんのコンテナを、自動で配置・監視・修復する仕組み。
語源ギリシャ語 kubernētēs(舵取り・船長)から。英語の governor(統治者)と同じ語源です。
- Pod / ノード ポッド / ノード
Kubernetesでコンテナを動かす最小単位/Podが載るサーバー。
語源pod は「(豆の)さや」。コンテナという豆を包むさや。node はラテン語 nodus(結び目)。
- オーケストレーション Orchestration
たくさんの部品を、全体として調和するように自動で指揮すること。
語源orchestra(オーケストラ)から。指揮者がたくさんの楽器をまとめるように。
- マニフェスト(YAML) Manifest
Kubernetesに渡す「あるべき姿」を書いたファイル。
「このイメージのPodを3つ」のように、手順ではなく結果を書きます(宣言的)。
語源manifest は「はっきり示す」。ラテン語 manifestus(手でつかめるほど明らか)から。YAML は「YAML Ain’t Markup Language」の頭文字。
- 自己修復 Self-healing
壊れたコンテナを、自動で作り直してあるべき姿に戻すこと。
語源self(自分)+ heal(癒やす)。
- ローリングアップデート Rolling Update
新しい版へ、少しずつ順番に入れ替えること。サービスを止めずに更新できる。
語源rolling(転がるように順々に)+ update(更新)。
- サーバーレス Serverless
サーバーの管理を意識せず、処理だけを置いて動かす形。
語源server + -less(〜がない)。実際にはサーバーはあるが、利用者からは見えない。
- FaaS(Lambda / Functions) Function as a Service
関数(小さな処理)を置いておき、呼ばれたときだけ動かすサービス。
語源Function as a Service の頭文字。Lambda はギリシャ文字 λ で、数学で「関数」を表す記号として使われたことから。
- コールドスタート Cold Start
しばらく使われていない処理を、最初に呼んだときだけ起動に時間がかかること。
語源cold(冷えた)+ start。冷えたエンジンをかけるときのイメージ。
- イベント駆動 Event-driven
「ファイルが置かれた」「時刻になった」などの出来事をきっかけに動く作り。
語源event はラテン語 evenire(起こる)から。
- 従量課金 Pay-as-you-go
使った量だけ料金を払う仕組み。
語源英語では pay-as-you-go(使った分だけ払う)。
- CI/CD シーアイ / シーディー
テストやリリースを自動化して、素早く何度も届ける仕組み。
語源Continuous Integration(継続的な統合)/ Continuous Delivery(継続的な提供)の頭文字。
- Git / GitHub ギット / ギットハブ
ソースコードの変更履歴を管理する仕組みと、それを共有するサービス。
GitHub Actions は、GitHub 上で CI/CD を動かす機能です。
語源git はイギリス英語の俗語で「ばか者」。作者リーナス・トーバルズの冗談の命名です。
- プルリクエスト Pull Request
自分の変更を本体に取り込んでもらうよう、確認を頼む仕組み。
語源pull(引き込む)+ request(頼む)。
- デプロイ Deploy
作ったアプリを、サーバーに配置して使える状態にすること。
語源もとは軍事用語で「部隊を配置する」。フランス語 déployer(広げる)から。
- ステージング / 本番環境 Staging / Production
本番そっくりの確認用の環境/利用者が実際に使う環境。
語源stage(舞台)。本番前の舞台稽古の場所。
- カナリアリリース / ブルーグリーン Canary Release / Blue-Green
新しい版を一部の人にだけ先に出す方法/新旧2つの環境を切り替える方法。
語源炭鉱でカナリアを先に入れて有毒ガスを察知したことから。ブルーとグリーンは2つの環境の呼び名です。
- IaC(Infrastructure as Code) アイエーシー
サーバーやネットワークの構成をコードで書き、自動で作ること。
Terraform・Bicep・CloudFormation などが使われます。
語源Infrastructure as Code(コードとしての基盤)の頭文字。
- オブザーバビリティ Observability
外から観察して、システムの中で何が起きているかがわかる状態。
語源observe(観察する)+ -ability(できること)。
- メトリクス / ログ / トレース Metrics / Logs / Traces
数値の変化/出来事の記録/1回の処理の通り道。
語源metric はギリシャ語 metron(ものさし)。log はもと「丸太」で航海日誌のこと。trace は「足跡」。
- アラート Alert
異常を見つけたときに、担当者へ自動で知らせること。
語源イタリア語 all’erta(見張りに立て)から。
- SLO / SLA エスエルオー / エスエルエー
社内で決める品質の目標/利用者と約束する品質の水準。
語源Service Level Objective(目標)/ Agreement(合意)の頭文字。
- インデックス Index ・ 索引
データベースの検索を速くするための索引。
語源ラテン語 index(指し示すもの・人差し指)から。
- Webアプリのおまかせ実行 App Service ・ App Engine ・ Elastic Beanstalk
プログラムを置くだけで、Webアプリとして動かしてくれるサービス(PaaS)。
語源engine はラテン語 ingenium(才能・工夫)から。beanstalk は「ジャックと豆の木」の豆の木。
- コンテナのおまかせ実行 Container Apps ・ Cloud Run ・ Fargate
Kubernetesを意識せずに、コンテナを置くだけで動かせるサービス。
台数の調整も自動で、使っていないときは0台まで減らせるものもあります。
語源Cloud Run の run は「走らせる・動かす」。
- AKS / GKE / EKS マネージドなKubernetes
各クラウドが管理を引き受けてくれるKubernetes。
語源Azure Kubernetes Service / Google Kubernetes Engine / Elastic Kubernetes Service の頭文字。
データベース編の用語
- データベース Database ・ DB
整理して保存されたデータの集まり。
表などの決まった形でデータを保存し、条件をつけてすばやく取り出せます。複数人が同時に読み書きしても壊れないよう管理されています。
語源data(ラテン語 datum「与えられたもの」の複数形)+ base(基地・置き場)。
- DBMS ディービーエムエス
データベースを動かし、管理するソフト。
データの保存・検索・同時アクセスの調整・権限・バックアップなどを担当します。PostgreSQL や MySQL はDBMSの製品名です。
語源DataBase Management System(データベース管理システム)の頭文字。
- NoSQL ノーエスキューエル
表(リレーショナル)以外の形でデータを持つDBの総称。
キーバリュー・ドキュメント・ワイドカラム・グラフなどがあります。正確さを少しゆるめる代わりに、速さや規模、柔軟さを得ているものが多いです。
語源「No SQL(SQLを使わない)」として広まり、今は「Not only SQL(SQLだけじゃない)」と説明されることが多い言葉です。
- バックアップ Backup
万一に備えて取っておく、データの写し。
DBは「ある時点に戻す」ことができるよう、自動で定期的にバックアップを取れます。
語源back(後ろ)+ up。後ろから支える「予備」の意味。
- クラウド Cloud
インターネットの向こうにあるコンピューターを、必要な分だけ借りて使う仕組み。
自社でサーバーを買わずに、使った分だけ料金を払います。
語源cloud(雲)。ネットワークの向こう側を、図で雲の形に描いていたことから。
- IoT アイオーティー
機械やセンサーがインターネットにつながり、データを送る仕組み。
語源Internet of Things(モノのインターネット)の頭文字。
- ログイン Log in
自分が誰かを確かめて、サービスを使える状態に入ること。
語源log in。もとは記録簿(log)に名前を書き込んで入る、という意味。
- ログ Log
「いつ・何が起きたか」を順に書き残した記録。
語源log はもともと「丸太」。丸太を海に流して船の速さを測り、航海日誌に書いたことから「記録」の意味に。
- リレーショナルDB Relational Database ・ RDB
データを表で持ち、表同士を番号でつなぐDB。
もっとも広く使われている種類です。SQLで操作し、トランザクションで正確さを守ります。
語源relational(関係の)。数学の relation(表の形をしたデータの集まり)から。
- テーブル(行と列) Table ・ Row ・ Column
データベースの中の「表」。
1件分のデータが「行(レコード)」、項目が「列(カラム)」です。Excelのシートに近いイメージです。
語源table(表・机)。record は「記録」、column はラテン語 columna(柱)から。
- 主キー / 外部キー Primary Key / Foreign Key
行を見分ける番号と、他の表の行を指す番号。
顧客表の「顧客ID」が主キー。注文表に書かれた「顧客ID」が外部キーで、これで2つの表がつながります。
語源primary(第一の)key(鍵)、foreign(よその)key。よその表を開ける鍵、というイメージ。
- JOIN ジョイン
複数の表を、共通の番号でつなげて取り出すこと。
語源join(つなぐ・加わる)。
- 正規化 Normalization
同じ情報を何度も書かないように、表を分けて整理すること。
顧客の住所を注文のたびに書くと、引っ越したとき全部直す必要があります。顧客表に1回だけ書けば、直すのも1か所です。
語源normal(標準の)。ラテン語 norma(大工の直角定規)から、「基準に合わせる」こと。
- インデックス Index ・ 索引
検索を速くするための「索引」。
本の索引と同じで、全部のページをめくらずに目的の行へたどり着けます。作りすぎると書き込みが遅くなります。
語源ラテン語 index(指し示すもの・人差し指)から。
- SQL エスキューエル
リレーショナルDBに頼みごとをするための言語。
SELECT(取り出す)・INSERT(追加)・UPDATE(更新)・DELETE(削除)などを、英語の文に近い形で書きます。
語源Structured Query Language(構造化された問い合わせ言語)の頭文字。query はラテン語 quaerere(尋ねる)から。最初は SEQUEL という名前でしたが、商標の問題で SQL に変わりました。
- MySQL マイエスキューエル
世界中で使われてきた、無料のオープンソースRDB。
WordPress などのWebサービスで定番です。開発元は現在 Oracle 社。サポート付きの有償版もあります。
語源My は、共同開発者モンティ・ウィデニウスの娘「My(ミー)」の名前から。
- MariaDB マリアディービー
MySQL から分かれて作られた、オープンソースのRDB。
MySQL がOracle社のものになったのを機に、元の開発者が始めました。MySQLとほぼ同じ感覚で使えます。
語源MySQL と同じ開発者の、下の娘「Maria(マリア)」の名前から。
- PostgreSQL ポストグレスキューエル ・ ポスグレ
機能が豊富な、無料のオープンソースRDB。
標準のSQLに忠実で、拡張機能(ベクトル検索の pgvector など)が多いのが特長。新しく作るシステムで選ばれることが多くなっています。
語源昔の Ingres というDBの「後(post)」に作られたので Postgres。のちにSQLに対応して PostgreSQL になりました。
- SQL Server エスキューエルサーバー ・ Microsoft
MicrosoftのRDB。企業の業務システムで多く使われる。
Windows・Excel・Power BI など Microsoft 製品と連携しやすいのが強み。有償ですが、小規模向けの無料版(Express)もあります。Azure SQL Database の中身もこれです。
語源そのまま「SQL のサーバー」。1989年に Sybase 社と共同で作ったのが始まりです。
- Oracle Database オラクル
Oracle社のRDB。銀行や大企業の基幹システムの定番。
止まらないこと・大規模に強いことで選ばれます。ライセンス料が高く、費用の大きな部分を占めることがあります。
語源oracle は「神のお告げ」。創業者が以前に関わった、CIA向けのDB開発プロジェクトの名前に由来すると言われます。
- SQLite エスキューライト
サーバーを立てずに、アプリの中に組み込んで使う小さなRDB。
1つのファイルがそのままDBになります。スマホ・ブラウザ・家電の中に入っていて、台数では世界でもっとも使われているDBと言われます。
語源SQL + lite(軽い)。
- SQLの方言 Dialect ・ T-SQL ・ PL/SQL
製品ごとに少しずつ違う、SQLの書き方の違い。
基本のSQLは国際標準(ISO)で決まっていますが、各製品が独自の機能を足しています。SQL Server の独自の書き方は T-SQL、Oracle は PL/SQL と呼ばれます。
語源dialect はギリシャ語 dialektos(話し方)から。T-SQL は Transact-SQL、PL/SQL は Procedural Language(手続きを書ける言語)の略。
- トランザクション Transaction
複数の処理を「全部成功か、全部取り消しか」にまとめたもの。
銀行振込の「引く」と「足す」のように、片方だけ実行されると困る処理をひとまとまりにします。
語源ラテン語 transigere(やり遂げる・取り決める)から。商取引と同じ言葉です。
- ACID アシッド
トランザクションが守るべき4つの性質。
Atomicity(原子性:全部か無か)、Consistency(一貫性:ルールを破らない)、Isolation(独立性:同時に動いても混ざらない)、Durability(永続性:確定したら消えない)。
語源4つの英単語の頭文字。atom はギリシャ語 atomos(これ以上分けられない)から。偶然「acid(酸)」と同じつづりになっています。
- コミット / ロールバック Commit / Rollback
処理を確定させること/全部取り消して元に戻すこと。
語源commit(ゆだねる・確約する)、roll back(巻き戻す)。
- ロック Lock
書き換え中の行に「使用中」の札をかけて、他の人を待たせること。
同じ在庫を2人が同時に減らして数が合わなくなる、といった事故を防ぎます。
語源lock(錠・鍵をかける)。
- キーバリューストア Key-Value Store ・ KVS
「キー」と「値」の組だけを保存する、もっとも単純で速いDB。
キーを渡すと値が一瞬で返ってきます。複雑な検索はできません。
語源key(鍵)+ value(値)+ store(保管庫)。
- インメモリ In-Memory
データをディスクではなくメモリ(作業机)に置いて動かすこと。
メモリはディスクよりけた違いに速い反面、電源が切れると消えるため、別途保存の工夫をします。
語源in memory(記憶の中に)。memory はラテン語 memoria(記憶)から。
- キャッシュ Cache
よく使う答えを、手元に取っておくこと。
毎回DBに聞きに行かず、覚えておいた答えを返すので速くなります。古い答えが残らないよう、有効期限(TTL)を付けます。
語源フランス語 cacher(隠す)から。探検家の「食料の隠し場所」が元の意味。
- TTL ティーティーエル
データを覚えておいてよい時間(賞味期限)。
語源Time To Live(生きていられる時間)の頭文字。
- Redis レディス
もっとも有名なインメモリのキーバリューストア。
語源REmote DIctionary Server(離れた場所にある辞書サーバー)を縮めた名前。
- ドキュメントDB Document Database
1件のデータを、JSONの「書類」として丸ごと保存するDB。
データごとに項目が違ってもよく、アプリで使う形のまま保存できます。
語源document(書類)。ラテン語 documentum(教え・証拠)から。
- JSON ジェイソン
データを「項目名: 値」の形で書く、テキストの書き方。
{ "name": "Tシャツ", "price": 2000 } のように書きます。人にも機械にも読みやすく、Webで広く使われています。
語源JavaScript Object Notation(JavaScriptでのモノの書き表し方)の頭文字。
- スキーマ / スキーマレス Schema / Schemaless
データの「形(項目と型)」の決まりごと/それを事前に決めなくてよいこと。
RDBは先にスキーマ(設計図)を決めます。ドキュメントDBはスキーマレスで、データごとに項目を変えられます。
語源ギリシャ語 skhēma(形・姿)から。-less は「〜がない」。
- MongoDB モンゴディービー
もっとも有名なドキュメントDB。
語源humongous(とてつもなく巨大な)という英語から。
- ワイドカラムDB Wide-Column Store
大量のデータを多数のサーバーに分けて持ち、書き込みに強いDB。
語源wide(幅の広い)+ column(列)。
- Apache Cassandra カサンドラ
代表的なワイドカラムDB。Facebookで生まれた。
語源ギリシャ神話の予言者カッサンドラから。Apache は、このソフトを管理するオープンソースの財団の名前。
- パーティションキー Partition Key
データをどのサーバー(区画)に置くかを決める項目。
例えばセンサーIDで分ければ、同じセンサーのデータは同じサーバーに集まります。
語源partition(仕切り・区切り)。ラテン語 partire(分ける)から。
- スケールアウト / スケールアップ Scale-out / Scale-up
台数を増やして性能を上げる/1台を強くして性能を上げる。
スケールアップは簡単ですが上限があります。スケールアウトは上限がない代わりに、仕組みが複雑になります。
語源scale(規模)を out(外へ=横に広げる)/ up(上へ=1台を大きく)。
- 結果整合性 Eventual Consistency
「少し待てば、最終的には全部のサーバーでそろう」という考え方。
書いた直後に別のサーバーを読むと古い値が見えることがありますが、そのぶん速く、止まりにくくなります。反対は「強い整合性(いつでも最新)」。
語源eventual(最終的な・いずれ起こる)+ consistency(つじつまが合っていること)。
- グラフDB Graph Database
データを「点」と「線」でつなげて保存するDB。
語源graph はギリシャ語 graphein(書く・描く)から。点と線で描いた図のこと。
- ノード / エッジ Node / Edge
グラフの「点(人・モノ)」と「線(関係)」。
「山田さん」「田中さん」がノード、「友達」という関係がエッジです。
語源node はラテン語 nodus(結び目)から。edge は「ふち・へり」。
- GQL / Cypher / Gremlin グラフ用の問い合わせ言語
グラフDBに頼みごとをするための言葉。
Cypher は Neo4j で生まれた言語で、GQL のもとにもなりました。
語源GQL は Graph Query Language。Cypher は「暗号」、Gremlin は「いたずら小鬼」の意味です。
- Neo4j ネオフォージェー
もっとも有名なグラフDB。
語源neo(新しい)+ 4j(for Java:Java向け)。
- 時系列DB Time Series Database
時刻と値の記録を、大量に保存・集計するのが得意なDB。
語源time(時間)+ series(連なり)。series はラテン語 serere(つなぐ)から。
- InfluxDB / TimescaleDB 代表的な時系列DB
代表的な時系列DBの製品。
語源influx(流れ込み)。TimescaleDB は time(時間)+ scale(規模)。
- ダウンサンプリング Downsampling
細かいデータを、粗くまとめ直すこと。
「1秒ごと」を「1分ごとの平均」にまとめれば、件数は60分の1になります。
語源down(下へ)+ sample(見本・標本)。標本を間引くこと。
- 保持期間 Retention
データを残しておく期間。
過ぎたデータは自動で消すか、安い保存先に移します。
語源英語の retention は retain(保つ)から。
- 全文検索エンジン Full-Text Search Engine
大量の文章から、言葉ですばやく探す仕組み。
語源full(全部の)+ text(文章)+ search(探す)。engine はラテン語 ingenium(才能・工夫)から。
- Elasticsearch / OpenSearch 代表的な全文検索エンジン
代表的な全文検索エンジン。
OpenSearch は、Elasticsearch から分かれて作られたオープンソース版です。
語源elastic(伸び縮みする=規模に合わせて広げられる)+ search。
- 転置インデックス Inverted Index
「言葉 → その言葉が出てくる文書」の一覧。
普通は「文書 → 中の言葉」ですが、それをひっくり返して持っておくので「転置(ひっくり返した)」インデックスと呼びます。
語源inverted(ひっくり返した)+ index(索引)。
- 形態素解析 Morphological Analysis
文章を、意味を持つ最小の単位(単語)に区切ること。
「ねこが好き」→「ねこ/が/好き」。日本語の検索には欠かせません。
語源形態素は morpheme の訳。ギリシャ語 morphē(形)から。
- ベクトルDB Vector Database
意味を数字の並びに変えて保存し、意味の近いものを探すDB。
語源vector はラテン語 vehere(運ぶ)から。数学では「向きと大きさを持つ量」。
- 埋め込み(エンベディング) Embedding
文章や画像を、意味を表す数字の並びに変換すること。
意味が似ている文章ほど、似た数字の並びになります。
語源embed(埋め込む)。意味を数字の空間に「埋め込む」こと。
- コサイン類似度 / ANN Cosine Similarity / ANN
ベクトルの「近さ」の測り方と、それを速く探す工夫。
コサイン類似度は2つの矢印の向きがどれだけそろっているかで近さを測ります。ANNは、厳密さを少しゆずって高速に近いものを探す方法です。
語源cosine は三角関数の「余弦」。ANN は Approximate Nearest Neighbor(だいたいの一番近いお隣さん)の頭文字。
- RAG ラグ
社内資料などを検索してから、生成AIに答えさせる仕組み。
生成AIが知らない社内のことでも、関係する資料を先に探して渡すので、根拠のある答えが返せます。
語源Retrieval-Augmented Generation(取ってきた情報で強化した生成)の頭文字。retrieve は「猟犬が獲物を取ってくる」が元の意味。
- 生成AI Generative AI
文章や画像などを新しく作り出すAI。
語源generate(生み出す)。AI は Artificial Intelligence(人工の知能)の頭文字。
- pgvector ピージーベクター
PostgreSQLでベクトルを扱えるようにする追加機能。
語源pg(PostgreSQL)+ vector。
- CAP定理 キャップていり
分散したDBは「一貫性・可用性・分断への強さ」を同時に全部は満たせない、という考え方。
ネットワークが切れたとき、「止めてでも正しい答え」を優先するか、「古いかもしれないが答え続ける」を優先するかを選ぶことになります。
語源Consistency(一貫性)、Availability(可用性:使える状態であること)、Partition tolerance(分断への耐性)の頭文字。
- レプリカ Replica
DBの複製。読み取りの負荷を分けたり、故障に備えたりする。
語源ラテン語 replicare(折り返す・繰り返す)から。美術品の複製も同じ言葉です。
- NewSQL(分散SQL) ニューエスキューエル
RDBの正確さと、NoSQLのような拡張性を両立させたDB。
語源new(新しい)+ SQL。
- マネージドサービス Managed Service
運用(更新・バックアップ・障害対応)をクラウド会社が代わりにやってくれるサービス。
語源manage はラテン語 manus(手)から、「手で扱う → 管理する」。
- PaaS / IaaS / SaaS パース / イアース / サース
クラウドを「どこまで任せるか」の分け方。
IaaS はサーバーだけ借りる、PaaS はDBなどの土台まで任せる、SaaS は完成したソフトを使う。マネージドDBはPaaSにあたります。
語源Infrastructure(基盤)/ Platform(土台)/ Software as a Service(〜をサービスとして)の頭文字。
- オープンソース Open Source ・ OSS
設計図(ソースコード)が公開され、誰でも使えるソフト。
語源open(公開された)+ source(源=ソースコード)。
- Azure アジュール ・ Microsoft
Microsoftのクラウド。
Microsoft 365 や Windows と連携しやすいのが特長です。
語源azure は「空色・紺碧」。ペルシャ語の lājward(青い宝石ラピスラズリ)から。
- Google Cloud グーグルクラウド ・ GCP
Googleのクラウド。
データ分析やAIに強いと言われます。
語源Google は 10の100乗を表す googol から。GCP は Google Cloud Platform の頭文字。
- AWS エーダブリューエス ・ Amazon
Amazonのクラウド。世界でもっとも利用者が多い。
語源Amazon Web Services の頭文字。Amazon は世界最大級の川アマゾンから。
- Azure SQL Database Azure のRDB
Microsoft SQL Server をもとにした、AzureのマネージドなリレーショナルDB。
語源そのままの意味で「Azure の SQL データベース」。
- Azure Database for PostgreSQL Azure のRDB
Azure上で使える、マネージドな PostgreSQL(MySQL版もある)。
語源「PostgreSQL のための Azure データベース」。
- Azure Cosmos DB コスモスDB
Azureの、世界規模で使えるNoSQLサービス。
ドキュメント(NoSQL API)を中心に、MongoDB・Cassandra・Gremlin(グラフ)などの形式を選べます。ベクトル検索にも対応しています。
語源cosmos はギリシャ語で「秩序ある宇宙」。世界中に広げて使えるDB、というイメージの名前。
- Azure Managed Redis Azure のキャッシュ
Azureのマネージドな Redis。
語源Managed(管理された)Redis。
- Azure Data Explorer Azure の時系列・ログ分析
ログや時系列データを高速に分析するAzureのサービス。
中では Kusto というエンジンが動いており、KQL という言葉で問い合わせます。
語源explorer(探検家)。中のエンジン名 Kusto は、海洋探検家ジャック=イヴ・クストーにちなむと言われます。
- Azure AI Search Azure の検索
全文検索とベクトル検索ができるAzureのサービス。
旧名は Azure Cognitive Search。RAGの検索役としてよく使われます。
語源AI(人工知能)+ search(検索)。
- Cloud SQL Google Cloud のRDB
Google CloudのマネージドなリレーショナルDB(MySQL・PostgreSQL・SQL Server)。
語源「クラウドの SQL データベース」。
- AlloyDB アロイディービー
PostgreSQL互換の、Google Cloudの高性能RDB。
ベクトル検索にも対応しています。
語源alloy は「合金」。
- Spanner スパナー
Google Cloudの、世界規模で正確さを保てる分散RDB(NewSQL)。
グラフとして扱う機能(Spanner Graph)もあります。
語源span(またがる)+ -er。世界中のデータセンターに「またがる」DB。
- Memorystore メモリーストア
Google Cloudのマネージドなインメモリのキーバリューストア(Redis など)。
語源memory(記憶)+ store(保管庫)。
- Firestore ファイアストア
Google Cloudのドキュメントデータベース。スマホアプリ開発で人気。
語源アプリ開発基盤 Firebase の store(保管庫)。
- Bigtable ビッグテーブル
Google Cloudのワイドカラム型DB。大量の時系列データにも使われる。
語源big(巨大な)+ table(表)。
- BigQuery ビッグクエリ
Google Cloudの、巨大なデータをSQLで集計するデータウェアハウス。
くわしくは「データレイク編」で解説しています。
語源big(巨大な)+ query(問い合わせ)。
- Vertex AI Search / Vector Search Google Cloud の検索
Google Cloudの、全文検索・ベクトル検索のサービス。
語源vertex は「頂点」。Vertex AI は Google Cloud のAI関連サービスのまとめ役の名前。
- Amazon RDS AWS のRDB
AWSのマネージドなリレーショナルDB(MySQL・PostgreSQL・SQL Server・Oracle など)。
語源Relational Database Service の頭文字。
- Amazon Aurora オーロラ
MySQL・PostgreSQLと互換性のある、AWSの高性能RDB。
PostgreSQL版は pgvector でベクトル検索にも使えます。
語源aurora(オーロラ)。ローマ神話の暁の女神の名前。
- Amazon DynamoDB ダイナモディービー
AWSの、キーバリュー型・ドキュメント型のNoSQL。
どれだけアクセスが増えても速さが変わりにくいのが特長です。
語源Amazonが2007年に論文で発表した仕組み「Dynamo」が元。dynamo は「発電機」(ギリシャ語 dynamis:力)。
- Amazon ElastiCache エラスティキャッシュ
AWSのマネージドなインメモリのキャッシュ(Redis 互換など)。
語源elastic(伸び縮みする)+ cache。
- Amazon DocumentDB ドキュメントディービー
MongoDB互換の、AWSのドキュメントDB。
語源document(書類)+ DB。
- Amazon Keyspaces キースペース
Cassandra互換の、AWSのワイドカラムDB。
語源Cassandraで表をまとめる単位「キースペース(key space:鍵の空間)」から。
- Amazon Neptune ネプチューン
AWSのグラフDB。
語源neptune は海王星。ローマ神話の海の神の名前。
- Amazon Timestream タイムストリーム
AWSの時系列DB。
語源time(時間)+ stream(流れ)。
- Amazon OpenSearch Service AWS の検索
AWSのマネージドな OpenSearch。全文検索とベクトル検索に使える。
語源open(オープンソースの)+ search(検索)。
データレイク編の用語
- クラウド Cloud
インターネットの向こうにあるコンピューターを、必要な分だけ借りて使う仕組み。
語源cloud(雲)。ネットワークの向こう側を、図で雲の形に描いていたことから。
- データソース Data Source
データの出どころ。業務システム、Excel、Webのアクセス記録、センサーなど。
語源source(源・水源)。ラテン語 surgere(わき上がる)から。
- データベース Database ・ DB
整理して保存されたデータの集まり。
種類や使い分けは「データベース編」でくわしく解説しています。
語源data(与えられたもの)+ base(基地・置き場)。
- SQL エスキューエル
データベースやDWHに頼みごとをするための言語。
語源Structured Query Language(構造化された問い合わせ言語)の頭文字。query はラテン語 quaerere(尋ねる)から。
- ログ Log
「いつ・何が起きたか」を順に書き残した記録。
語源log はもともと「丸太」。丸太を海に流して船の速さを測り、航海日誌に書いたことから「記録」の意味に。
- IoT アイオーティー
機械やセンサーがインターネットにつながり、データを送る仕組み。
語源Internet of Things(モノのインターネット)の頭文字。
- AI エーアイ
人工知能。人のように判断・予測・生成を行うコンピューターの仕組み。
語源Artificial Intelligence(人工の知能)の頭文字。artificial はラテン語 ars(技)+ facere(作る)。
- OLTP オーエルティーピー
日々の業務の取引を、1件ずつ素早く処理する使い方。
注文の登録、在庫の引き当て、入金の記録など。業務システムのDBの役目です。
語源Online Transaction Processing(オンラインの取引処理)の頭文字。
- OLAP オーラップ
大量のデータを集計・分析する使い方。
「去年と比べて、地域別・月別に売上はどうか」のように、たくさんの行をまとめて計算します。
語源Online Analytical Processing(オンラインの分析処理)の頭文字。analytical は、ギリシャ語 analysis(ほどいて分けること)から。
- データのサイロ Data Silo
システムや部署ごとにデータが閉じこもり、つながっていない状態。
営業のデータと経理のデータが別々で、突き合わせに手作業が必要――といった状態です。
語源silo は、穀物を貯めておく塔(牧場にある円筒形の建物)。それぞれが孤立して立っている様子から。
- データ基盤 Data Platform
データを集めて、貯めて、整えて、使える状態にする仕組み全体。
語源platform はフランス語 plate-forme(平らな形)から。「台・土台」の意味。
- 取り込み(インジェスト) Ingestion
データの出どころから、データ基盤へデータを運び込むこと。
語源ingest(取り込む・摂取する)。ラテン語 ingerere(中へ運ぶ)から。
- バッチ処理 Batch
データをためておいて、決まった時刻にまとめて処理すること。
語源batch は、パンを一度の窯で焼く「ひと窯分」。そこから「ひとまとめ」の意味に。
- ストリーミング Streaming
データが発生したそばから、途切れなく流して処理すること。
語源stream(小川・流れ)。動画配信のストリーミングと同じ言葉です。
- CDC(変更データキャプチャ) Change Data Capture
DBの「変わった部分だけ」を拾って送る方法。
毎回全部をコピーするより軽く、ほぼリアルタイムで反映できます。
語源Change(変更)Data(データ)Capture(捕まえる)の頭文字。
- API エーピーアイ
ソフト同士がデータをやり取りするための「窓口」。
クラウドのサービスからデータを取り出すときは、たいていAPIを使います。
語源Application Programming Interface の頭文字。interface は inter(間)+ face(面)=「接する面・窓口」。
- SaaS サース
インターネット経由で使う完成品のソフト(会計ソフト、営業管理など)。
語源Software as a Service(サービスとして提供されるソフト)の頭文字。
- コネクタ Connector
特定のサービスとつなぐための、用意済みの接続部品。
設定するだけで、そのサービスのデータを取り込めます。
語源connect(つなぐ)+ -or(〜するもの)。ラテン語 con(一緒に)+ nectere(結ぶ)。
- データレイク Data Lake
あらゆる形のデータを、そのままの形で安く大量に貯めておく場所。
語源data(資料)+ lake(湖)。
- オブジェクトストレージ Object Storage
ファイルを「モノ(オブジェクト)」として、ほぼ無制限に置けるクラウドの保存場所。
容量あたりの料金がとても安く、データレイクの土台になります。
語源object(物・対象)+ storage(貯蔵)。object はラテン語 obicere(前に投げ出す)から。
- スキーマオンリード / オンライト Schema on Read / on Write
データの形(スキーマ)を、読むときに決めるか、書くときに決めるか。
DBやDWHは書くとき(オンライト)、データレイクは読むとき(オンリード)に形を決めます。
語源schema はギリシャ語 skhēma(形・姿)から。on read(読むときに)/ on write(書くときに)。
- 構造化 / 半構造化 / 非構造化 Structured / Semi / Unstructured
データの「形の決まり具合」による分け方。
構造化は表(行と列)、半構造化はJSONやログのようにゆるい形があるもの、非構造化は画像・音声・PDFなど決まった形がないもの。
語源structure はラテン語 struere(積み上げる・組み立てる)から。
- Amazon S3 エススリー
AWSのオブジェクトストレージ。データレイクの定番の置き場所。
語源Simple Storage Service。S が3つで「S3」。
- Azure Data Lake Storage ADLS
Azureの、データレイク向けのオブジェクトストレージ。
語源Azure Data Lake Storage の頭文字。Gen2 は Generation 2(第2世代)。
- Cloud Storage Google Cloud のストレージ
Google Cloudのオブジェクトストレージ。
語源「クラウドの保存場所」そのままの名前。
- CSV シーエスブイ
値をカンマで区切って並べた、いちばん単純な表データのファイル。
Excelでも開けて手軽ですが、型の情報がなく、大量データの分析には向きません。
語源Comma-Separated Values(カンマで区切られた値)の頭文字。
- JSON ジェイソン
「項目名: 値」の形で書く、テキストのデータ形式。
語源JavaScript Object Notation(JavaScriptでのモノの書き表し方)の頭文字。
- Parquet パーケイ
列ごとにまとめて保存する、分析向けのファイル形式。
必要な列だけを読めて、圧縮もよく効きます。分析用データの事実上の標準です。
語源フランス語で「寄木細工の床」。細かいブロックを敷き詰めた構造から。
- 列指向 / 行指向 Columnar / Row-oriented
データを列ごとにまとめて持つか、行ごとにまとめて持つか。
業務DBは1件ずつ扱うので行指向、分析は特定の列を大量に読むので列指向が向いています。
語源column(列)はラテン語 columna(柱)から。row は「並び・列(横)」。
- 圧縮 Compression
同じ情報を、より小さいサイズで保存すること。
語源英語 compress は com(一緒に)+ press(押す)=押し縮める。
- パーティション Partition
日付などでフォルダを分けて、データを区切って置くこと。
「10月分だけ」読むときに、他の月のフォルダを読まずに済みます。
語源partition(仕切り)。ラテン語 partire(分ける)から。
- ORC / Avro オーアールシー / アブロ
Parquet以外の、分析・データ連携向けのファイル形式。
ORCはParquetと同じ列指向、Avroは行指向でデータのやり取りに向いています。
語源ORC は Optimized Row Columnar(最適化された行・列形式)の頭文字。Avro は英国の航空機メーカーの名前にちなむと言われます。
- ETL / ELT イーティーエル / イーエルティー
データを取り出し、整え、積み込む処理。ELTは整える前に積み込む。
いまはクラウドの計算力が強いので、先に全部積んでから整えるELTが主流です。
語源Extract(取り出す)・Transform(変換する)・Load(積み込む)の頭文字。
- データクレンジング Data Cleansing
データの誤り・重複・表記ゆれ・欠けを直して、きれいにすること。
語源cleanse(きれいにする・清める)。化粧落としのクレンジングと同じ言葉です。
- パイプライン Pipeline
取り込み→加工→保存の手順を、つなげて自動で流す仕組み。
語源pipe(管)+ line(線)。石油やガスを遠くまで送る管路から。
- Apache Spark スパーク
大量のデータを、たくさんのコンピューターで手分けして処理するソフト。
Databricks・Microsoft Fabric・AWS Glue など、多くのサービスの中で動いています。
語源spark(火花)。速さを表した名前。Apache は、このソフトを管理するオープンソースの財団の名前。
- オーケストレーション Orchestration
たくさんの処理の順番・時刻・失敗時のやり直しを、まとめて管理すること。
語源orchestra(オーケストラ)を指揮するように、全体をそろえて動かすことから。
- ブロンズ / シルバー / ゴールド Bronze / Silver / Gold
データを、生 → 整理済み → 集計済み、の3段階に分けて置く考え方。
語源オリンピックのメダルの色から。medallion は「大きなメダル」。
- リネージ Data Lineage
データの出どころと、どう加工されてきたかの記録。
「この売上の数字は、どのシステムのどのデータから、どんな計算で作られたか」をたどれます。
語源lineage(血統・家系)。ラテン語 linea(糸・線)から。データの「家系図」。
- Databricks データブリックス
Apache Spark の開発者が作った、レイクハウスのサービス。
Azure・AWS・Google Cloud のどれでも使えます。
語源data(データ)+ bricks(れんが)。データでれんがを積み上げるように基盤を組み立てる、というイメージ。
- DWH(データウェアハウス) Data Warehouse
整ったデータを、SQLで高速に集計するための分析用の置き場。
語源data(資料)+ warehouse(倉庫)。ware は「品物」。
- レイクハウス Lakehouse
データレイクに、DWHのような表の管理機能を足したもの。
安いオブジェクトストレージにデータを置いたまま、更新・削除・履歴管理・高速なSQLができます。
語源lake(湖)+ warehouse の house。湖のほとりの家、という意味も掛けた造語。
- Delta Lake / Apache Iceberg テーブル形式
Parquetファイルの集まりを、1つの「表」として正しく管理するための仕組み。
どのファイルが最新か、誰がいつ変えたかを記録し、ACID(全部成功か全部取り消し)の更新や履歴管理を可能にします。
語源delta(三角州:川が湖や海に注ぐところ)。iceberg(氷山:見えている部分の下に大量のデータが眠る)。
- タイムトラベル Time Travel
表の「過去のある時点」の状態を読んだり、元に戻したりできる機能。
誤ってデータを消しても、昨日の状態に戻せます。
語源time(時間)+ travel(旅)。
- スタースキーマ Star Schema ・ ファクト / ディメンション
分析用の表を「数値(ファクト)」と「切り口(ディメンション)」に分けて、星形につなぐ設計。
売上のファクト表を中心に、日付・店舗・商品のディメンション表が星の先のように並びます。
語源star(星)+ schema(形)。fact は「事実」、dimension は「次元・寸法」。
- BI ビーアイ ・ Business Intelligence
データを集計・可視化して、仕事の判断に役立てること・そのツール。
語源business(仕事)+ intelligence(情報・知恵)。intelligence はラテン語 intellegere(見分ける)から。
- ダッシュボード Dashboard
大事な数字やグラフを1画面にまとめた「計器盤」。
語源もとは馬車の前に付けた「泥よけ板」(馬がはね上げる泥 dash を防ぐ board)。のちに車の計器盤の意味になった。
- KPI ケーピーアイ
目標の達成に向けて追いかける、重要な数値。
語源Key Performance Indicator(重要な・成果の・指標)の頭文字。indicator は「指し示すもの」。
- セマンティックレイヤー Semantic Layer
「売上」「粗利」などの定義を1か所で決めておき、どのツールでも同じ計算にする層。
語源semantic(意味の)。ギリシャ語 sēmantikos(意味を示す)から。layer は「層」。
- 行レベルセキュリティ Row-Level Security
見る人によって、見せる「行」を絞る仕組み。
東京の担当者には東京のデータだけ、のように同じ表・同じグラフでも中身を変えられます。
語源row(行)+ level(段階)+ security(安全)。
- Power BI / Looker / QuickSight / Tableau 代表的なBIツール
代表的なBIツール。
Power BI は Microsoft、Looker は Google、QuickSight は AWS、Tableau は Salesforce の製品です。
語源Looker は look(見る)+ -er。QuickSight は quick(すばやい)+ sight(見ること)。Tableau はフランス語で「絵・表」。
- 機械学習 Machine Learning
データからパターンを学び、予測や分類をする技術。
語源machine(機械)+ learning(学習)。
- 特徴量 Feature
予測の手がかりにする項目(曜日・気温・キャンペーンの有無など)。
語源英語 feature(特徴・顔立ち)。ラテン語 factura(作られたもの)から。
- モデル / デプロイ Model / Deploy
学習によってできあがった「予測の仕組み」/それを業務で使える場所に置くこと。
語源model(模型・型)。deploy は「軍隊を配置する」から「展開する」の意味に。
- 異常検知 Anomaly Detection
いつもと違う動き(故障の前ぶれ、不正利用など)を見つけること。
語源anomaly はギリシャ語 anōmalos(でこぼこの・不規則な)から。
- RAG ラグ
社内資料などを検索してから、生成AIに答えさせる仕組み。
語源Retrieval-Augmented Generation(取ってきた情報で強化した生成)の頭文字。retrieve は「猟犬が獲物を取ってくる」が元の意味。
- 生成AI Generative AI
文章や画像などを新しく作り出すAI。
語源generate(生み出す)。
- データガバナンス Data Governance
データを、誰が・何のために・どう使ってよいかを決めて守る仕組み。
語源govern はギリシャ語 kybernan(船の舵を取る)から。
- データカタログ Data Catalog
どこに・どんなデータがあるかをまとめた目録。
検索して目的のデータを探し、意味や担当者、更新日を確認できます。
語源catalog はギリシャ語 katalogos(並べ上げたもの・一覧表)から。
- メタデータ Metadata
「データについてのデータ」。項目名・型・更新日・担当者など。
語源meta(ギリシャ語で「〜を超えた・〜についての」)+ data。
- データスワンプ Data Swamp
整理されないまま貯まり、誰も使えなくなったデータレイク。
語源swamp(沼地)。澄んだ湖(lake)が、濁った沼(swamp)になってしまった状態。
- マスキング Masking
個人情報などを「***」のように隠して見せること。
語源mask(仮面・覆い)。
- 個人情報 PII
名前・電話番号・メールアドレスなど、特定の個人がわかる情報。
個人情報保護法で、扱い方が定められています。
語源英語では PII:Personally Identifiable Information(個人を特定できる情報)。
- ロール(役割) Role
「経営者」「営業」など、権限をまとめて付ける単位。
人ごとに権限を付けるより、役割に付けて人を割り当てるほうが管理が楽です。
語源role(役割)。役者のせりふを書いた巻物(roll)から。
- Microsoft Purview パービュー
Azureのデータカタログ・ガバナンスのサービス。
語源purview(権限・目の届く範囲)。
- Dataplex データプレックス
Google Cloudのデータカタログ・ガバナンスのサービス。
語源data + plex(ラテン語 plectere:編む・折り重ねる)。
- AWS Glue / Lake Formation グルー / レイクフォーメーション
AWSの、データ加工(Glue)とカタログ・権限管理(Lake Formation)のサービス。
語源glue(のり・接着剤)=データ同士をくっつける。lake formation は「湖の形成」。
- Microsoft Fabric ファブリック
Azureの、レイク・加工・DWH・BIをひとつにまとめた分析サービス。
データは OneLake にまとめて置かれ、Power BI とそのままつながります。
語源fabric(織物・布地)。いろいろな機能を1枚の布のように織り合わせた、というイメージ。
- OneLake ワンレイク
Microsoft Fabric の、組織にひとつのデータレイク。
語源one(ひとつの)+ lake(湖)。
- Azure Data Factory データファクトリー
Azureの、データの取り込み・パイプラインのサービス。
語源factory(工場)。データを運んで加工する工場。
- Azure Synapse Analytics シナプス
AzureのDWH・分析サービス。新規は Microsoft Fabric が中心になりつつある。
語源synapse は神経細胞と神経細胞のつなぎ目。ギリシャ語 synapsis(結合)から。
- Azure Machine Learning Azure の機械学習
Azureの機械学習サービス。
語源machine learning(機械学習)。
- Pub/Sub / Datastream Google Cloud の取り込み
Google Cloudの、ストリーミングの受け口(Pub/Sub)と、DBの変更を流すCDC(Datastream)。
語源Publish(発行)/ Subscribe(購読)。新聞の発行と購読の関係にたとえた名前。Datastream は data + stream(流れ)。
- Dataflow / Dataproc Google Cloud の加工
Google Cloudの、データ加工のサービス。
Dataflow はバッチとストリーミングを同じ書き方で処理でき、Dataproc は Spark などを動かせます。
語源Dataflow は data + flow(流れ)。Dataproc は data processing(データ処理)。
- BigQuery ビッグクエリ
Google Cloudの、サーバー管理不要で巨大なデータをSQLで集計できるDWH。
語源big(巨大な)+ query(問い合わせ)。
- Vertex AI バーテックスAI
Google Cloudの、機械学習と生成AIのサービス。
語源vertex(頂点)。
- Amazon Kinesis / AWS DMS AWS の取り込み
AWSの、ストリーミングの受け口(Kinesis)と、DBのデータ移行・CDC(DMS)。
語源kinesis はギリシャ語で「動き」。DMS は Database Migration Service(DBの引っ越しサービス)。
- Amazon EMR イーエムアール
AWSで Spark などの大規模データ処理を動かすサービス。
語源Elastic MapReduce の頭文字。elastic は「伸び縮みする」。
- Amazon Redshift レッドシフト
AWSのDWH。
語源天文学の「赤方偏移」(遠ざかる星の光が赤い方へずれる現象)。赤いロゴの Oracle からの乗り換えを掛けた、という説も有名です。
- Amazon Athena アテナ
S3 に置いたファイルに、そのままSQLで問い合わせできるAWSのサービス。
語源ギリシャ神話の知恵の女神アテナ。
- Amazon SageMaker セージメーカー
AWSの機械学習・データ分析のサービス。
語源sage(賢者)+ maker(作る人)。
- Snowflake スノーフレーク
どのクラウドの上でも使える、人気のDWH・データ基盤のサービス。
語源snowflake(雪の結晶)。創業者たちがスキー好きだったことや、DWHの設計の形「スノーフレークスキーマ」にちなむと言われます。
- Azure アジュール ・ Microsoft
Microsoftのクラウド。
語源azure は「空色・紺碧」。ペルシャ語の lājward(青い宝石ラピスラズリ)から。
- Google Cloud グーグルクラウド ・ GCP
Googleのクラウド。
語源Google は 10の100乗を表す googol から。
- AWS エーダブリューエス ・ Amazon
Amazonのクラウド。
語源Amazon Web Services の頭文字。Amazon は世界最大級の川アマゾンから。
セキュリティ編の用語
- 機密性・完全性・可用性(CIA) Confidentiality ・ Integrity ・ Availability
情報セキュリティで守る3つの性質。
見てよい人だけが見られる(機密性)、正しく書き換えられていない(完全性)、使いたいときに使える(可用性)。
語源confidential はラテン語 confidere(信じて任せる)、integrity は integer(欠けていない)、availability は avail(役に立つ)から。
- 脅威 / リスク Threat / Risk
害を与えるもの/それが起きる可能性と影響の大きさ。
リスクは「起きやすさ × 影響の大きさ」で考え、大きいものから手を打ちます。
語源threat は古い英語 threat(圧迫)、risk はイタリア語 risco(岩礁=船が座礁する危険)から。
- インシデント Incident
セキュリティ上の事故や、その恐れのある出来事。
語源ラテン語 incidere(降りかかる)から。
- フィッシング Phishing
本物そっくりの偽メールや偽サイトで、パスワードやカード情報を盗む手口。
宅配業者・銀行・通販サイトなどを名乗り、「至急」「アカウント停止」などとあせらせるのが典型です。
語源fishing(釣り)のもじり。ph は、昔のハッカー文化の言葉 phreaking にならったと言われます。
- ビジネスメール詐欺(BEC) Business Email Compromise
取引先や社長になりすましたメールで、偽の口座に送金させる詐欺。
「振込先が変わりました」「至急・内密に」が典型的な文句です。メール以外の手段で必ず確認しましょう。
語源Business Email Compromise(仕事のメールの乗っ取り)の頭文字。compromise は「危うくする」。
- ランサムウェア / マルウェア Ransomware / Malware
データを暗号化して使えなくし、身代金を要求する悪いソフト。悪いソフトの総称がマルウェア。
最近は、暗号化に加えて「盗んだデータを公開する」と脅す二重の脅迫が一般的です。
語源ransom(身代金)+ software。malware は malicious(悪意のある)+ software。
- パスワードリスト攻撃 Credential Stuffing
他のサイトから漏れたIDとパスワードの組で、別のサービスへのログインを試す攻撃。
パスワードを使い回していると、1か所の漏えいから次々に乗っ取られます。
語源英語では credential stuffing(認証情報の詰め込み)。credential はラテン語 credere(信じる)から。
- DDoS攻撃 ディードス
大量のアクセスを一度に送りつけて、サービスを止める攻撃。
乗っ取った多数の機器(ボットネット)から送られることが多いです。
語源Distributed Denial of Service(分散したサービス妨害)の頭文字。
- サプライチェーン攻撃 Supply Chain Attack
取引先・委託先や、使っているソフトの部品を踏み台にして、本命の会社を狙う攻撃。
語源supply(供給)+ chain(鎖)。部品や取引のつながりを鎖にたとえた言葉。
- 内部不正 Insider Threat
社員・元社員・委託先など、内部の人による情報の持ち出しや不正操作。
権限を絞る、ログを残す、退職者のIDをすぐ止める、が基本の対策です。
語源英語では insider threat(内側の人による脅威)。
- 多要素認証(MFA) Multi-Factor Authentication
パスワードに加えて、スマホの確認など別の種類の手段も使う本人確認。
「知っているもの(パスワード)」「持っているもの(スマホ・物理キー)」「本人そのもの(指紋・顔)」のうち2つ以上を組み合わせます。
語源multi(たくさんの)+ factor(要素。ラテン語 facere「作る」から)+ authentication(本人確認)。
- 総当たり攻撃 Brute-force Attack
パスワードの組み合わせを、すべて順に試す攻撃。
短いパスワードや、数字だけのパスワードは、あっという間に当てられます。
語源英語では brute force(力ずく)。brute はラテン語 brutus(鈍い・獣のような)から。
- パスキー Passkey
パスワードの代わりに、端末の中の鍵と指紋・顔の確認でログインする仕組み。
偽サイトでは使えないので、フィッシングにとても強いのが特長です。
語源pass(通る)+ key(鍵)。
- パスワードマネージャー Password Manager
長く複雑なパスワードを作って、安全に覚えておいてくれるソフト。
語源password(合言葉)+ manager(管理するもの)。
- ID管理(IAM) Identity and Access Management
利用者のIDと、何に近づいてよいか(権限)を管理すること。
語源identity はラテン語 idem(同じもの)、access は accedere(近づく)から。
- IdP(Entra ID / Okta) Identity Provider
社員のIDを1か所で管理し、各システムに本人確認の結果を渡す仕組み。
Microsoft Entra ID(旧 Azure Active Directory)・Google Workspace・Okta などがあります。
語源Identity Provider(身元を提供する者)の頭文字。Okta は気象用語で、空を8つに分けて雲の量を表す単位。
- SSO(シングルサインオン) Single Sign-On
1回のログインで、複数のシステムを使えるようにする仕組み。
語源single(1回の)+ sign on(ログインする)。
- 認証 / 認可 Authentication / Authorization
本人かどうかを確かめること/その人に何をしてよいかを決めること。
語源authentication はギリシャ語 authentikos(本物の)、authorization は author(権限を持つ人)から。
- 最小権限 Least Privilege
仕事に必要な分だけの権限を渡すという原則。
乗っ取られたり、内部の人が悪用したりしたときの被害を小さくできます。
語源least(最も少ない)+ privilege(特権。ラテン語 privus「個人の」+ lex「法」)。
- 特権ID / 管理者権限 Privileged Account
システムの設定変更などができる、強い権限を持つID。
使う人と時間を絞り、操作の記録を残します。普段の作業では使いません。
語源privilege(特権)+ ID(identification:身元を示すもの)。
- 暗号化 / 復号 Encryption / Decryption
データを、鍵を持つ人にしか読めない形に変えること/元に戻すこと。
語源en(中に)+ ギリシャ語 kryptos(隠された)。de- は「元に戻す」。
- HTTPS / TLS ティーエルエス
Webの通信を暗号化する仕組み。
アドレス欄の鍵マークは「通信が暗号化されている」印で、「サイトが本物」という意味ではありません。
語源Transport Layer Security(運ぶ層の安全)の頭文字。前身は SSL(Secure Sockets Layer)。
- 公開鍵暗号 / 電子証明書 Public Key Cryptography / Certificate
公開してよい鍵と秘密の鍵の2つを使う暗号/サイトや人の身元を証明するデータ。
語源public(公開の)+ key(鍵)。certificate はラテン語 certificare(確かにする)から。
- ハッシュ Hash
データから、元に戻せない決まった長さの値を作ること。
パスワードは、ハッシュにして保存するのが基本です。同じ入力からは必ず同じ値になるので、照合に使えます。
語源hash(細かく刻む)。ハッシュドビーフの hash と同じ言葉です。
- 鍵の管理(KMS) Key Management Service
暗号の鍵やパスワードなどの秘密の情報を、安全に保管・管理するサービス。
語源Key Management Service(鍵管理サービス)の頭文字。vault は「金庫室」。
- ファイアウォール Firewall
決めた通り道以外の通信を止める仕組み。
語源fire(火)+ wall(壁)。もとは建物の防火壁。
- WAF ワフ
Webアプリへの通信の中身を調べ、攻撃のパターンを止める仕組み。
語源Web Application Firewall(Webアプリ用の防火壁)の頭文字。
- SQLインジェクション SQL Injection
入力欄に不正なデータベースへの命令を紛れ込ませ、情報を盗む攻撃。
語源inject(注入する)。ラテン語 inicere(投げ入れる)から。
- VPN ブイピーエヌ
インターネットの上に、暗号化した専用の通り道を作る仕組み。
VPN機器の弱点を突かれる事故が相次ぎ、更新をためないことが重要です。
語源Virtual Private Network(仮想の専用ネットワーク)の頭文字。
- ゼロトラスト Zero Trust
社内・社外を問わず、アクセスのたびに本人と端末を確かめる考え方。
語源zero(ゼロ)+ trust(信頼)。「最初から信頼はゼロ」として毎回確認する。
- IDS / IPS 侵入検知 / 侵入防止
怪しい通信を見つけて知らせる仕組み/止める仕組み。
語源Intrusion Detection / Prevention System の頭文字。intrusion はラテン語 intrudere(押し入る)から。
- SASE / ZTNA サシー
ゼロトラストの考え方で、通信の守りをクラウドのサービスとしてまとめたもの。
語源Secure Access Service Edge / Zero Trust Network Access の頭文字。
- ウイルス対策ソフト Antivirus
登録済みのパターンに一致する悪いソフトを見つけて止めるソフト。
語源anti(反対の)+ virus(ラテン語で「毒」)。
- EDR / XDR イーディーアール
端末の怪しいふるまいを見つけて、止める・調べるための仕組み。
XDRは、端末だけでなくメール・クラウド・ネットワークまで広げて見張ります。
語源Endpoint Detection and Response(端末での検知と対応)の頭文字。X は「何でも(あらゆる範囲)」。
- 隔離 Quarantine
怪しいファイルや端末を、他から切り離して被害が広がらないようにすること。
語源英語 quarantine はイタリア語 quaranta giorni(40日)から。疫病の時代、船を40日間港の外に留めたことに由来します。
- MDM エムディーエム
会社のスマホやPCを、まとめて管理する仕組み。
設定の配布、アプリの制限、紛失時の遠隔ロック・消去ができます。
語源Mobile Device Management(モバイル端末の管理)の頭文字。
- ディスク暗号化 BitLocker ・ FileVault
PCのストレージ全体を暗号化して、紛失・盗難時に中身を読めなくすること。
Windows は BitLocker、Mac は FileVault が標準で使えます。
語源disk(円盤)+ encryption。BitLocker は bit(データの最小単位)+ locker(鍵付きの戸棚)。
- SPF / DKIM / DMARC 送信ドメイン認証
メールが本当にそのドメインから送られたかを確かめる3つの仕組み。
SPFは送ってよいサーバーの一覧、DKIMは電子署名、DMARCは失敗したメールの扱い方のルールです。
語源Sender Policy Framework / DomainKeys Identified Mail / Domain-based Message Authentication, Reporting and Conformance の頭文字。
- なりすまし Spoofing
他人や他社のふりをして、メールや通信を送ること。
語源英語の spoof は「ちゃかす・だます」。19世紀の英国のトランプゲームの名前から。
- ドメイン Domain
インターネット上の住所の名前。メールアドレスの @ の後ろの部分。
語源ラテン語 dominium(支配・領地)から。
- サンドボックス Sandbox
怪しいファイルを、外に影響しない隔離された環境で開いて確かめる仕組み。
語源sandbox(砂場)。子どもが安全に遊べる、囲われた場所。
- 脆弱性 Vulnerability ・ ぜいじゃくせい
ソフトの設計や作りの弱点。攻撃の入口になる。
語源ラテン語 vulnus(傷)から、「傷つきやすさ」。
- CVE / CVSS シーブイイー / シーブイエスエス
公表された脆弱性の通し番号/その深刻さを表す点数(0〜10)。
語源Common Vulnerabilities and Exposures / Common Vulnerability Scoring System の頭文字。
- パッチ Patch
ソフトの不具合や弱点を直す修正プログラム。
語源patch(つぎ当て)。服の穴にあて布をするように、プログラムの穴をふさぐ。
- ゼロデイ攻撃 Zero-day Attack
修正が出る前の脆弱性を突く攻撃。
語源修正が出るまでの日数が「0日」のうちに攻撃されることから。
- 脆弱性診断 Vulnerability Assessment ・ Penetration Test
専門家が攻撃者の目線で、システムの弱点を探して報告すること。
語源penetration はラテン語 penetrare(中へ入り込む)から。
- SBOM エスボム
ソフトに含まれる部品(ライブラリなど)の一覧表。
部品に弱点が見つかったとき、影響を受けるソフトをすぐ特定できます。
語源Software Bill of Materials(ソフトウェアの部品表)の頭文字。
- バックアップ(3-2-1ルール) Backup
万一に備えて取っておく、データの写し。
3つ持ち、2種類の保存先に、1つは別の場所に置くのが基本(3-2-1ルール)。
語源back(後ろ)+ up。後ろから支える「予備」。
- イミュータブル / オフライン保管 Immutable / Offline Backup
一定期間、書き換え・削除ができない保管/ネットワークから切り離した保管。
ランサムウェアに暗号化されないバックアップを残すための方法です。
語源ラテン語 immutabilis(変えられない)。offline は「回線から外れた」。
- RPO / RTO 目標復旧時点 / 目標復旧時間
どの時点のデータまで戻せればよいか/どれだけの時間で戻すか、の目標。
毎日夜にバックアップしているなら、RPOは最大で約1日分です。
語源Recovery Point Objective / Recovery Time Objective の頭文字。
- 復旧訓練(リストア) Restore
バックアップから実際に戻せるかを、定期的に試すこと。
語源restore(元に戻す)。ラテン語 restaurare(建て直す)から。レストランと同じ語源です。
- SIEM / SOC シーム / ソック
ログを集めて異常を見つける仕組み/それを24時間見張る専門チーム。
語源Security Information and Event Management / Security Operation Center の頭文字。
- CSIRT シーサート
社内でセキュリティ事故に対応するチーム。
語源Computer Security Incident Response Team(コンピューターセキュリティ事故対応チーム)の頭文字。
- ログ Log
「いつ・誰が・何をしたか」の記録。
事故の調査の決め手になるので、改ざんされない場所に、十分な期間残します。
語源log はもと「丸太」。丸太を流して船の速さを測り、航海日誌に書いたことから。
- フォレンジック Forensics
証拠を保全して、何が起きたかを調べること。
語源ラテン語 forensis(公開の広場の・法廷の)から。法廷で使える証拠を集めることを指します。
- 個人情報保護委員会への報告 漏えい等の報告
個人データの漏えい等が起きたときに、国の委員会へ行う報告。
2022年4月の法改正で、一定の場合(要配慮個人情報、不正アクセスによるもの、1,000人を超えるものなど)に報告と本人への通知が義務になりました。
語源英語では Personal Information Protection Commission(PPC)。
- セキュリティポリシー Security Policy
会社として情報をどう守るかを決めた、方針とルール。
語源policy はギリシャ語 politeia(国のあり方)から。
- セキュリティ教育 / 訓練 Security Awareness Training
社員が手口を知り、怪しいメールに気づけるようにする取り組み。
語源education はラテン語 educere(引き出す)から。
- ISMS アイエスエムエス
情報セキュリティを組織として管理する仕組み。また、その認証制度。
語源Information Security Management System(情報セキュリティの管理の仕組み)の頭文字。
- 個人情報保護法 こじんじょうほうほごほう
個人情報の取り扱いのルールを定めた日本の法律。
利用目的の明示、安全管理、委託先の監督、漏えい時の報告などが定められています。
語源正式名は「個人情報の保護に関する法律」。2003年に成立し、何度も改正されています。
- IPA 情報処理推進機構
日本の情報セキュリティの情報や、ガイドラインを出している独立行政法人。
毎年「情報セキュリティ10大脅威」を公表し、中小企業向けのガイドラインも用意しています。
語源Information-technology Promotion Agency の頭文字。
- SECURITY ACTION セキュリティアクション
中小企業が、情報セキュリティ対策に取り組むことを自ら宣言する制度。
IPAが運営しており、一つ星・二つ星の段階があります。
語源security(安全)+ action(行動)。
- 設定の点検・脅威の検知 Defender for Cloud ・ Security Command Center ・ GuardDuty
クラウドの設定ミスや怪しい動きを、自動で見つけるサービス。
語源guard(見張る)+ duty(任務)。
- クラウドのSIEM Microsoft Sentinel ・ Google Security Operations
クラウド型の、ログを集めて異常を見つけるサービス。
語源sentinel は「歩哨・見張り番」。